50・60代女性「頑張りすぎてること」第1位は?精神科医Tomy先生直伝の「ほどほど力」で人生の充実度が変わる!
家事や仕事、介護や子どもの心配……。体力は落ちるのに悩みは増えるゆうゆう世代。全部を頑張ろうとして疲れがたまっていませんか。その頑張り、本当に必要でしょうか? 完璧でなく、ほどほどでいいのでは? 「ほどほど力」を提唱する精神科医のTomy先生に聞きました。
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お話を伺ったのは
精神科医 Tomy先生
トミー●1978年生まれ。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。
フォロワー数39万人突破のX(旧Twitter)が人気で、テレビ・ラジオなどマスコミ出演多数。
『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』に始まる「1秒シリーズ」(ダイヤモンド社)は大ベストセラーに。
他に『精神科医Tomyの自分を大切にする習慣』(フォレスト出版)など著書多数。
読者アンケートより
読者アンケートから、ついつい頑張りすぎて疲れているゆうゆう世代の実態がわかりました。なかには「頑張りたいのに頑張れない自分が嫌」と自分を責める声も。毎日を楽しく過ごすには発想の転換が必要かもしれません。
いくつになっても悩みの種は人間関係。「いい人でいたい」という気持ちから、無理をしてしまう人が多いようです。また家事や仕事で手を抜けない真面目さも、頑張りすぎにつながっているようです。
目標をいつもの半分に。「ほどほど力」は前向きに生きる力
優先順位を明確にし、頑張り方にメリハリを
年とともに楽になるどころか負担になる家事や仕事、そして人間関係。これまで頑張ることが美徳だと思ってきた人も、自分は何のために生きているのかと疑問を感じてしまうもの。そんな状況から抜け出す方法を、精神科医のTomyさんに伺った。
「完璧主義の人は、頑張りすぎてしまう傾向が強いですね。同時に、できないことがあると落ち込んで自己評価が下がり、人生に不満がたまっていきます。頑張りすぎる人と頑張れない自分を責める人は、実は根が一緒なんです。完璧を求めればきりがありません。だから生き方に余裕がなくなってしまう。自分のもっているエネルギーには限りがあるのだから、頑張るところは適切に頑張り、あとはほどほどに。そうやってメリハリをつける力が“ほどほど力”です」
メリハリをつけるには、何をすればいいのだろうか。
「自分が完璧にしたいところとそうでないところを明確にすることです。その際、自分が何にこだわるかをできるだけ具体的にすることが大切です」
たとえば料理なら、レストランのように見た目も素敵にしたいのか、健康的な食事を作りたいのか。後者ならば、見た目の部分は手を抜いてもいいことになる。
「手抜きというと罪悪感をもつ人も多いのですが、決して悪いことではありません。手を抜いて生まれた時間を自分の人生を充実させるために使う。そのように前向きにとらえてほしいですね」
自分のこだわりを明確にしたら優先順位をつけ、本当に頑張りたいところに集中し、あとはほどほどでよしとする。
「そうはいっても、頑張りすぎる人は1割しか手を抜かなかったり、ついだらだらと頑張り続けたりしてしまうもの。そんなときには、思い切って目標を半分にしましょう。大丈夫。それでも世の中は回っていきます。掃除なら今日はここだけとか、朝の30分だけというように制限を設けるのもおすすめです」
読者アンケートでは、人間関係で頑張りすぎて疲れている人も多く見られた。
「人間関係においても優先順位が大切ですね。自分にとって大事な人を見極めて、それ以外の人との関係には完璧を求めない。うまくいかない人間関係があっても悩むことはないんです」
「いい人」でいようとするのも意味のないことだ。人からどう思われるかに振り回されるより、自分がどうしたいのかを優先させる。「他人軸ではなく自分軸に切り替えて」とTomyさんはアドバイスする。自分軸で生きることは、わがままになることとは違う。
「他人軸で生きていると自分を見失い、何のために生きているのかわからなくなってしまいます。悩んだら、どちらを選べば自分の時間がより豊かになるかを考えましょう。人生にゴールはありません。生まれて死ぬまで、自分の歩いてきた道こそが人生。いかに自分が納得し、楽しく充実させるか。そのために、ほどほど力で自分を見失わない心の余裕をつくってほしいですね」
