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夫の所属していたグループに起きたトラブル。救ってくれたのは”リアル”な人とのつながり【LiLiCoさんのターニングポイント・後編】

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SNSで誰とでもつながれる時代にあっても、LiLiCoさんが信じているのは「人は人でしかつながらない」というシンプルな真理。夫である小田井涼平さんとの間の小さなやり取りから、国境を超えたつながりまで、リアルな関わりの中から広がっていく縁のひとつひとつがターニングポイントだと語ります。

▼前回のお話▼

>>【LiLiCoさんのターニングポイント・前編】「早く60歳になりたい」年齢にとらわれず、幸せを掴み続ける行動術

人と人が顔を合わせることって、何よりも大切なこと

「人は人でしかつながらない」。LiLiCoさんがインタビューの中で何度も口にした言葉。現代はSNSを通じて誰とでも簡単につながれる時代だが、彼女はそこに大きな違和感を覚えてきたという。

「この言葉は、私が人生を通して一番大切にしていることです。SNSでフォローしたり、DMを送り合ったりしても、それは本当のつながりではありません。誰かと直接会って、コーヒーを飲みながら話す。その時間こそが、私にとって真のつながりです。
私の母国スウェーデンには“フィーカ”という文化があります。コーヒーを片手に甘いパンを食べながら、家族や友人、職場の仲間と語り合う時間のこと。現金もほとんど使わないほどIT化が進んでいる国ですが、このフィーカだけは失われませんでした。人と人が直接会って、言葉を交わす。その大切さをスウェーデンの人々は決して忘れないんです。

一方で日本では、SNSで”つながっている”という感覚が広がっています。インスタでフォローしているから仲良しだと勘違いしてしまう。でも、現実には誰ともつながっていない。実際に会って話さなければ、本当の関係は生まれないと私は強く思います。だからこそ、私はどんなに忙しくても人に会うことを大切にしてきました」

限られた夫婦の時間をおろそかにしない

夫である小田井涼平さんとの関係も、リアルなコミュニケーションの積み重ねで成り立っている。二人とも多忙を極め、年間を通して一緒に食事ができるのは10回にも満たないほどだという。しかも、時間は深夜になることが多い。それでも仕事を終えた後に居酒屋で食事する――それが二人の貴重なひとときだ。

「夫婦の関係も同じです。一緒に過ごせる時間が限られているからこそ、しっかりと話すことを意識しています。家では黙々とそれぞれが好きなことをしているので、外で食事をしているときに『最近どう?』『こんなことがあったよ』とお互いの近況を言葉にして伝える。たとえ短い時間でも、向き合うことを欠かさないようにしています。
私たち夫婦のLINEは驚くほどシンプルで、『今日は暑かったね』『あと少しで帰るね』、たまに『帰ったら家族会議ね』と送ると、家族会議という言葉に何か恐れがあるのかパタッと既読スルーになったりもしますが(笑)。
多くを語らないし、絵文字もほとんど使わない。でも、それが私たちの自然な距離感。私は言葉以上にスキンシップを大事にしているので、時にはハグをしたり、肩に手を置いてみたり。そうしたちょっとしたコミュニケーションが、夫婦の信頼を深めてくれると信じています。

日本では『ありがとう』『愛している』と言葉にするのが恥ずかしい、と感じる人が多いですよね。でも私は、感謝や愛情は言葉にしてこそ伝わるものだと思っていて。
言わなくてもわかるなんていう考え方は、実はとても危うい。お互いにわかっているつもりでも、相手は何も知らないまま誤解だけが積み重なっていくことがありますから」

「今日も働いてくれてありがとう」「これをやってくれて助かったよ」。そんな一言が、夫婦の空気を柔らかく変えていく。照れくさいと思う気持ちは、自分で決めているだけ。ほんの少し勇気を出して口にすれば、心の距離は必ず縮まるとLiLiCoさんは語る。

逆境を支えてくれたのも、「人」の存在

夫が所属していたグループで不祥事が起きたとき、事実と異なる情報が瞬く間に広がり、LiLiCoさん自身にも誤解が及んだ。SNS上では「LiLiCoの旦那が問題を起こした」という憶測が飛び交い、まったく無関係な彼女が傷つくこともあったという。

「自分に対していわれのない中傷を受けるという、今までにない経験が振り返ってみても本当に怖かったですね。自分が今まで作り上げたキャリアを他の人に潰されてしまうかもしれない。SNSでは瞬く間に情報が広がり、事実ではない噂が拡散していくおそろしさを身を持って感じた出来事でした。それに、自分のことだったら自分が対処するしかないけど、自分ではなく一番身近な家族の身に起きたこと。だからこそ、自身だけではどうしようもできないことがたくさんあって、それが一番つらかった…。そんなとき、支えになったのは、顔を合わせて話してくれる仲間や友人たち。目を見て『大丈夫?』と声をかけてもらうだけで、どれだけ救われたかわかりません」

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