夫の所属していたグループに起きたトラブル。救ってくれたのは”リアル”な人とのつながり【LiLiCoさんのターニングポイント・後編】

つながりが導いた夢の実現

人とのつながりが大きな力を持つことをLiLiCoさんは何度も実感してきた。昨年スウェーデンで実現した芸能界デビューは、その象徴といえる出来事。

「長年、日本の芸能界で活動してきた私にとって、海外、さらにいえば母国のスウェーデンでのテレビ出演はまさに新たな挑戦でした。このデビューが叶ったのも、人との出会いがきっかけです。ある日、スウェーデンのテレビ番組で知り合ったスタッフが、別の番組を紹介してくれました。そこからまた別のつながりが生まれ、気づけばスウェーデンの人気グループとのコラボが決まりました。運や偶然だけでは説明できません。人と人が会い、信頼を重ねてきた結果だと感じています。

また、人とのつながりがあったからこそ、日本のファンを30人連れてスウェーデンに行くツアーも実現できました。ただ観光地を巡るのではなく、私だからできる特別な内容を詰め込み、2日間は写真撮り放題にして、リサ・ラーソン工房を訪れたり、フィーカ体験など、まるで家族旅行のような濃密な時間を過ごしました。次は、スウェーデンの人たちを日本に招待したいと考えています。バスを貸し切り、浜離宮公園で着物を着て記念撮影をしたり、美味しい和食を楽しんだり――日本ならではの文化を体験してもらいたい。そうやってお互いの国を行き来することで、より深い絆が生まれるはず」

年齢を重ねることへの希望をくれる存在

LiLiCoさんは、「早く60歳になりたい」と語るほど、年齢を重ねることを前向きに捉える。その背景には、80歳、90歳になってもエネルギッシュに生きる友人たちの存在が。

「その一人が、メイクアップ・アーティストのカオリ・ナラ・ターナーさん。長年、ハリウッドで活躍されてきて、日本人として初めてのエミー賞を受賞した輝かしい経歴を持っている方。ただカオリさんの魅力は、その経歴以上に強くて陽気で美しい人柄にあります。彼女のエピソードでいえば、ずっとアメリカで暮らしていて、ロサンゼルス一帯で発生した火災でご自宅が焼失したときのこと。『これはビル（亡き夫）から、日本に帰りなさいっていうメッセージだったのよ』と現状に悲観することもなく、颯爽と日本に帰ってこられた。素晴らしい考え方と行動力だなって感動したんです。誰よりも元気で、いつもスケジュールがパンパンで、お酒もめちゃくちゃ強い（笑）。未来の自分もこうありたいと思える理想の存在と出会えて、年齢を重ねることへの希望は高まるばかり。

ありがたいことに子どもの頃から今まで、周りにいる大人たちがとても素敵な人ばかりで、私は大人を馬鹿にしたこともないし、大人がいつも輝いてみえた。50代はすっかり大人だけど、それでも『早く大人になりたい』という思いが常にあります」

私も、人と人をつなぐ架け橋でありたい

「私自身、年齢を重ねるほどに“人でしかつながらない”という言葉の意味を痛感しています。SNSやテクノロジーは便利だけれど、最後に残るのは人と人との信頼関係。直接会って、手を取り合い、言葉を交わすこと。たまたま居酒屋で隣り合わせた人と会話をしてみたり、そういった小さな出来事が人生を豊かにしてくれる。
人との縁で実現した夢がたくさんあるからこそ、私を通して、その先で出会う誰かが、また別の誰かをつないでいく。そんな連鎖が広がっていったら幸せですね。会う、話すといったとてもシンプルなことが、人生を変えると信じています」

PROFILE
LiLiCoさん

りりこ●1970年、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、89年から芸能活動を始める。TBS「王様のブランチ」の映画コメンテーター、J-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」のラジオナビゲーターをはじめ、テレビ、雑誌などで幅広く活躍。服やジュエリーのデザイン、プロデュースも手掛けている。2024年には国際女性デー表彰式で「HAPPY WOMAN賞」、および外国映画文化の発展に貢献した人に贈られる「淀川長治賞」を受賞。プライベートでは2017年、ムード歌謡グループ「純烈」の元メンバー小田井涼平さんと47歳で結婚。

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