秋の日陰で育つ草花[8選]植えっぱなしでOKの宿根草も!
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光武俊子
夏の間は強光線を避けられてありがたい環境だった日陰も、秋からは寂しい印象と諦めていませんか。秋の日陰で楽しめる草花は意外に種類豊富です。植えっぱなしで秋の訪れを告げてくれる宿根草や球根植物、晩秋にはパンジーなどと植え替えられる始末のよい一年草も紹介します。
日陰で楽しめる草花のバラエティー
私は4階建てアパートの北東角にある小さな花壇で、草花を育てていて、日が当たるのは1日2~3時間です。おまけに花壇の一部は軒下なので雨も当たりません。植物にとって「乾燥した日陰」というのは、もっとも過酷な環境だそうです。それでも水やりを忘れなければ大丈夫。かなり多彩な草花が咲きます。
このように1日に2~4時間ほどの日がさす場所を「半日陰」と呼びます。直射日光はささないけれど、木漏れ日や周囲の建物からの反射光など、間接的な光や周囲が開けて明るい場所は「明るい日陰」。建物の北側のように日ざしが全くない場所を「日陰」といいます。
半日陰や明るい日陰なら、多くの種類の草花が楽しめます。日陰でも光の届きやすい高い位置に吊り鉢で栽培したり、耐陰性のある草花なら育てることが可能です。日陰に強い植物は一年草から宿根草、球根植物に低木と、意外なほどバラエティー豊か。
明るい日陰なら、品種を選べばバラだって咲きます。半日陰ではたいがいの草花が育てられますが、ややひょろひょろしたり花数が少なめだったりという影響があります。逆に夏の強光線を苦手にしたり、耐暑性の弱い植物は、日陰気味の方が育てやすいこともあるのです。
秋の日陰を魅力的に彩る草花8選
夏の暑さに植物も人もグッタリしたころ、私の花壇で咲き出すのがゼフィランサスです。放っておいても秋の訪れを告げてくれる、晩夏に元気をもらえるこうした草花を紹介します。
まったく手間なく秋の訪れを告げる花【ゼフィランサス】
開花期:6~10月
草丈:20~30㎝
和名でタマスダレ(ゼフィランサス・カンディダ)と呼ばれる白花と、ピンクのサフランモドキ(Z.グランディフロラ)がおもに出回ります。常緑性の球根植物で、植えっぱなしでよく咲き、分球してよくふえるので、花壇の縁取りや垣根の下草などにぴったり。鉢植えは4~5年ごとに植え替えます。
日本の気候によく合った帰化植物【シュウカイドウ】
開花期:8~10月
草丈:30~70㎝
江戸時代に中国から渡来して、日本各地で自生している帰化植物。湿り気のある林床などを好むため、日陰の庭では樹木などの下草に最適です。ベゴニアの仲間ですが、耐寒性も強くて戸外で冬を越し、秋に葉腋にできるムカゴによってふえます。枝垂れ咲く花に風情があります。
秋には大きなドーム状の株になる【インパチェンス】
開花期:5~11月
草丈:20~40㎝
初夏から晩秋まで長く咲く一年草として親しまれていますが、涼しくなるとギアを上げるように大株に育ってよく咲きます。11月に球根やパンビオを植えようと思っても、なかなか場所を譲ってくれないほどです。ミニバラのようにエレガントな八重咲きのカリフォルニアローズ・シリーズも人気。
日本生まれでお行儀のよい常緑多年草【ヤブラン(リリオペ)】
開花期:8~10月
草丈:20~30㎝
オーナメンタルグラスの人気が出てからは、リリオペと呼ばれることが増えた日本原産種です。丈夫な多年草で放っておいても変わりない姿をキープしてくれるので、グラウンドカバーとして長く愛され、公園緑化などにも利用されます。斑入りなどの園芸品種も多彩です。
