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「愛犬の最期に会えなかった」後悔を乗り越え、前を向くための禅僧・枡野俊明さんの教えと供養方法

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ゆうゆう編集部

月は沈んでも空から消えてはいない

この世に生を受けたものは、いつか必ず滅するときが来ます。これは世の中の真理であり、私たちにはどうすることもできません。仏教には「生者必滅(しょうじゃひつめつ) 会者定離(えしゃじょうり) 」という言葉があります。命あるものは必ず死滅する。出会った者とは、どんなに愛し合っていても必ず別れる運命にある。そういう意味です。これはどれだけ時代が移ろうと、国が変わろうと、絶対に変わらない世の中の真理です。

水流元入海
月落不離天
 —— 
みずながれてもとうみにいり
つきおちててんをはなれず

この世の摂理は変えられません。
生きとし生けるものはいつか滅しても
残された人の心の中で生きるのです

ここにあげた禅語も同じです。

「どこを流れている水も、最終的には海に流れ着いて一つになる。西に沈んでいく月も、空から落ちることはなく天を離れることはない」という、揺るぎない真理を表現しています。

一方でこの言葉は、こんなメッセージにも思えるのです。

「大河の水も小さな川のせせらぎも、最後は同じ海にたどり着くのです。死によって分かたれて今は別の場所に離れているあなたたちも、最終的には同じところに向かうのです。沈んだように見える月も、けっして天から消えたわけではありません。同じように、愛犬が没してしまったように思えても、あなたのそばから離れたわけではありません。ずっとあなたの心の中で生きているんですよ」と、そのような意味に受け取れると思います。

私たちはみな旅立つ先はご先祖さまのもとです。川がすべて海に帰っていくように、私たちの命の帰り着く先もみな同じ場所にあります。愛犬は少し先にそこに行ってあなたを待っているのですから、それまでの時間を丁寧に大切に過ごしていきましょう。

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