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受診する病院を間違えて「死ぬ!?」法医学者が解説「命運を分ける勘違いとは?」

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高木徹也

何気ない日常の中に、思いがけない“死の落とし穴”が潜んでいるかもしれません。大切な人が、そして自分が、そんな危険に巻き込まれないために——。話題の新刊『こんなことで、死にたくなかった 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』(高木徹也著・三笠書房)から、そのヒントを抜粋してお届けします。第5回は、「受診する病院を間違えて死ぬ!?」

▼前回はこちら▼

>>「風邪をひいただけなのに……」高齢者が直面する意外な死因。法医学者が現場を見て出す結論は?

受信する病院を間違えて死ぬ!?

とある症状で病院を受診し、薬を医者から処方されて症状が緩和したにもかかわらず、帰宅後に亡くなってしまった高齢の方を、しばしば検案や解剖することがあります。なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか?  

それは、受診する病院を間違えてしまうからです。 
代表的なケースを二つ紹介しましょう。 

一つは「左肩や左腕が痛い」という症状。 

本人は「庭いじりをしすぎたかな?」などと思い、近所の整形外科医院を受診します。そこでは「筋肉痛」や「肉離れ」といった診断を受け、処方された湿布や痛み止めの薬を服用すると痛みもなくなって、「治った」と安心する……。そして翌朝、布団の中で冷たくなったご遺体として発見されてしまうのです。 

このようなケースを解剖すると、心臓に血液を供給する冠状動脈のうち、心臓の左脇を通る血管が詰まったことによる「心筋梗塞」だと判明することがあります。このように、原因は心臓であるにもかかわらず、「放散痛」として、左肩や左腕に痛みを感じることがよくあるのです。 

つまり、心臓の放散痛を本人が筋肉痛と誤って認識し、整形外科など心臓専門以外の病院を受診したことで、心筋梗塞とわからず亡くなってしまうわけです。

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