「息子に連絡しないで」という遺言に従うべき?介護と相続のリアルな6つの悩みにアドバイス
「遠地の親の様子がなんだか変」「デイサービスを嫌がる親」——親が歳を重ねるにつれて、心配ごとが増えていきます。そんな「わが家の親問題」に答えるヒントがここにあります。新刊『親が75歳を過ぎたら知りたいことが全部のってる本』から、第5回は、介護や相続のリアルな6つの悩みに専門家がアドバイスします。
目次
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>>相続トラブルの3割以上は遺産額1000万円以下!相続が「争族」になったトラブル6例Q1 介護施設を嫌がる親は在宅介護すべき?
80代の親。せっかく特養に入所できたのに、そこで暮らすのを嫌がっていて困っています。退所したら同居で介護になり、私は介護離職になりかねません。親の気持ちを優先するのが親孝行でしょうか? それとも心を鬼にして無視?
A 無理をしない・抱え込まないをスローガンに
介護は「無理しない・抱え込まない」が基本。親の気持ちも大切ですが、介護する側が共倒れしては意味がありません。特養に慣れるまで時間がかかることもあります。
まずは施設側とよく連携して、少しずつ安心感をもってもらえるよう働きかけてみては。
Q2 遠地の親の様子がなんだか変
最近、母(70代)は物忘れがひどく、買ったものを忘れて在庫が過多になっています。病院に連れていくほどではないようですが、離れて暮らしているので、どうフォローしてよいかわかりません。
A 「ゆる見守り」をスタートして
買い物メモの写真を送ってもらう、定期的に電話で冷蔵庫の中をチェックをするなど、「ゆるい見守り」を工夫してみて。
物忘れが続くなら、地域包括支援センターなどに早めに相談を。受診のきっかけにもなります。
Q3 デイサービスを嫌がる頑固親父、どうする?
父は調子が悪いときが増え、デイサービスを利用してほしいのですが、頑固で嫌がっています。どうしたら説得できますか?
A 趣味仲間が見つかるとすすめて
「リハビリ」や「お風呂が快適」など、本人の興味や好みに合ったサービスの説明をしてみては。最近では麻雀やカラオケなど趣味や娯楽に特化した事業所もあります。
「体験利用」から始めるのも一つの手です。自分のペースで通えるとわかれば、意外と気に入ってくれることもあります。
Q4 介護した人が多く相続できる?
養父母が亡くなったあと、兄妹で相続争いが発生。同居の義兄が財産を全額もらおうとしています。確かに介護していたのは義兄夫婦ですが、同居と別居とで相続に差がつきますか?
A 介護の貢献度によって加算される可能性が
同居か別居かにかかわらず、原則として、法定相続分は同じです。しかし、同居や介護の貢献度が高い場合「寄与分」として加算される可能性があります。
話し合いがまとまらない場合は。家庭裁判所の調停も視野に入れて。
