恋と冒険!豪華客船を舞台に繰り広げられる『エニシング・ゴーズ』は必見の傑作【LiLiCo's試写室】
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ゆうゆう編集部
TBS「王様のブランチ」の映画コーナーを担当し、映画コメンテーターとしても人気を集めるLiLiCoさんが、おすすめ映画を紹介していきます。今回は『エニシング・ゴーズ』です。
恋と冒険が繰り広げられる、ラブコメミュージカルの最高傑作
みなさんミュージカルはお好きですか? 生の舞台を見るのは本当に特別な時間ですが、人気の演目ならチケット代もそれなりにかかるし、何よりもチケットが手に入らない! でもそんな素敵なミュージカルを、キャストの表情まで堪能できるなら嬉しいですよね? それも映画料金で! それが松竹ブロードウェイシネマでかないます。
今回の作品は『エニシング・ゴーズ』。1934年にブロードウェイで上演されてから世界中で愛され続け、トニー賞を6部門受賞した名作。主演は第65回主演女優賞を受賞したサットン・フォスター! 『グレイテスト・ショーマン』のヒュー・ジャックマンも大絶賛する魅力的な俳優です。キャストの歌唱力は抜群、身体からみなぎるエネルギーと舞台演出にうなる瞬間も多々。本物のブロードウェイの舞台のフルキャストに会える贅沢。しかも日本語字幕つきなんて、ありがたい。
ストーリーは大西洋を横断する豪華客船SSアメリカン号に乗り合わせた人たちが織りなす、恋愛ありトラブルありのドタバタコメディ。とにかくスピード感にあふれていて、曲とセリフのバランスがとってもよい。物語もわかりやすく、オケピ(舞台前のオーケストラ専用演奏スペース)にいる指揮者とのやりとりも面白い。
登場人物が絡み合い、一体どうなる⁉とハラハラ・ドキドキ。素晴らしい音楽は心にしみます。全員集合でタップダンスをし、スポットライトを取り合うコミカルなナンバーなどが連なり、あっという間に時間が過ぎていきます。考え抜かれた舞台演出は圧巻! 船の外に広がる海を表現したかと思ったら、そこから一瞬にして船内を表現する演出はお見事!と拍手をしてしまうほど。観客の目線を導き、一緒に乗船している感覚になりますよ。
個人的には神父に扮した指名手配犯のムーンフェイスがお気に入り。悪役だけどどこか滑稽で目が離せないの。そして思うようにいかない恋愛もやはり面白い。人生って素晴らしい!と清々しい気持ちにしてくれる一本です!
『エニシング・ゴーズ』
監督&演出/キャスリーン・マーシャル、ロス・マクギボン
原作&脚本/P・G・ウッドハウス、ガイ・ボルトン
出演/サットン・フォスター、ロバート・リンゼイ他
1 週間限定公開(東劇のみ2週間上映)(イギリス 配給/松竹)
© Tristram Kenton
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