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なぜ鳥羽シェフは糖尿病になっても不安がないのか?「積極的バランス治療」で前向きな闘病を深堀り【鳥羽周作さんのターニングポイント#3】

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ゆうゆうtime編集部

第3回では、糖尿病をきっかけに広がった“ビジネスとしての可能性”と、“逆境に対する思考法”についておうかがいします。レシピ本だけでなくビジネス書も出版してきた鳥羽周作さんは、この病気をどう捉え、どう「自分のフィールド」に変えていこうとしているのか。その裏側にある「学習」と「センス」の話が、とても示唆に富んでいました。

「クライアントにモテる」ことは、病気にも通じる

――ビジネスパーソンとしての顔もお持ちですが、今回の糖尿病も「チャンス」と捉えられたそうですね。

鳥羽周作さん(以下、鳥羽シェフ):以前『モテる仕事論』という本を出したんですけど、これは「クライアントにモテる」という意味なんです。
クライアントが何を求めているのかをちゃんとリサーチして、その期待を上回るものを返す。そうすると、相手は喜ぶし、好きになってくれる。つまり、クライアントにモテることは仕事において超重要なんですよ。
糖尿病の話も同じだと思っていて、このジャンルでそういうことをやっている人がほぼいない。自分は料理の人間であり、糖尿病という課題も抱えている。ここにこそ、自分の立ち位置があると感じました。

低糖質・高たんぱくの「お弁当」サブスク構想

――具体的にはどんな形のビジネスを構想されているのでしょう?

鳥羽シェフ:糖尿病って、比較的長く付き合っていかなきゃいけない病気で、なかなか「完治」とまではいかない。だからこそ、サブスクのビジネスなんかは向いていると思うんですよ。
例えば宅配弁当とか。僕がプロデュースした弁当を、自分でも食べて健康になって、「これ、おいしいし数値も安定しますよ」と言えたら、説得力しかないじゃないですか。そこに、すごくビジネス領域のポテンシャルを感じています。

多くの人が「ネットで不安を増幅」するなかで

――それでも、病気になると不安のほうが先に立つ人が多いですよね。ネットで調べて、かえって怖くなってしまうというか。

鳥羽シェフ:そうですね。多くの人は、ネットで調べて、余計に不安になってしまう。
でも僕は、「大概のことは学習して対応できないことはない」と思っているんです。
何かに対応するとき、相手を知らないと戦えない。自分の物差しだけで乗り越えるのってすごく難しいんですよね。
たとえば好きな女性ができたとき、自分のいつもの“口説き方”が必ずしも通用するわけじゃない。相手の趣味や嗜好を知ることが必要ですよね。それと同じで、まずは“物事に対する解像度を上げる”ことが最初のステップなんです。

問題が起きたら「原因を全部洗い出す」

鳥羽シェフ:仕事だったら…例えば、売り上げが上がらないという問題があったとします。そのときに、「何が原因なのか」をちゃんと分解していくんです。
・味が美味しくないのか
・値段が高いのか
・立地が悪いのか
・サービスが良くないのか
いろんな要因が考えられるじゃないですか。
だから、今起こっている現象の原因をまず徹底的に調べる必要がある。その原因を引き起こしたもの自体についても、きちんと勉強していく。そうやって解像度を上げていくと、かなり精度の高い“対応の仕方”が見えてきます。

「積極的対応能力」が、受け身の人生を変える

――原因を探り、自ら勉強することが重要、と。

鳥羽シェフ:そうです。知識を蓄えることで、こちらから積極的に対応できるようになる。
“受け身”でいると、どうしても出足が遅れて、後手後手に回ってしまうんですよね。でも、勉強しておけば、それに備えることができる。仕事でもそうですし、糖尿病のような病気に対しても同じ。営業ひとつとっても、普通に進めていくのが理想だけど、必ずイレギュラーが出てくる。そのときに対応できるように準備しておくことが大事で、その準備というのは、不確定なものに対してするからこそ、ちゃんと勉強しておかなきゃいけない。
レストランで料理を出すなら、アレルギーを持っているお客さんが来たときにどうするか。
「このアレルギーならこのメニューは出さない」「代わりにこれを出す」といった準備も必要ですよね。
そういうことを、日々つぶさにやっているんです。自分から積極的に代替案を提案していく。それが、僕の言う「積極的対応能力」です。
受動的じゃなく主体的に解像度を上げていく作業が、先手を取るための方法だと思います。ていうか、このインタビュー、本当にビジネス書になっちゃいますね・笑!

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