なぜ鳥羽シェフは糖尿病になっても不安がないのか?「積極的バランス治療」で前向きな闘病を深堀り【鳥羽周作さんのターニングポイント#3】
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ゆうゆうtime編集部
仕事にも病気にも共通する「センス」の正体
――その姿勢があれば、仕事だけでなく、病気などプライベートな問題にも対応できる?
鳥羽シェフ:はい。全部そうだと思います。
物事の法則は同じで、「自分に降りかかっている問題に対して、きちんと原因を把握する」こと。そのために知識が必要なんです。
それが僕の言う“センス”にもつながってきます。
くまモンのデザイナーの水野学さんと仲が良いんですが(水野さんはレストランsioのロゴも担当している)、水野さんが「センスは知識から始まる」と言っていて。この“センス”というのは、おしゃれかどうか、という話ではないんですよ。物事に対して最適解を選べる能力があるかどうか、それがセンス。
たとえば、お葬式にめちゃくちゃおしゃれな格好で行っても、「センスあるね」とはならないですよね。お葬式にはお葬式のTPOがあって、その場に対する最適解を選べることが「センスがある」ってことなんです。
そして、そのためには絶対的な知識が必要。お葬式のことを知らなければ、ふさわしい服装もわからない。結婚式にどんなスーツを着るかも分からなければ、ちゃんと参加できない。
糖尿病に対しても同じで、「良い治療法を選べる人」がセンスのある人。そのためには、糖尿病のことを知らなきゃいけない。だから勉強するんです。
守るために、まずは「無知」を脱する
――なぜそこまでのモチベーションを維持できるのでしょう?
鳥羽シェフ:いろんなものを守るとか、救うとかって、そういうことだと思うんです。
無知で、何の力もない人間は、誰ひとり守れない。だからこそ、まずは知識を蓄えるために勉強をする。
それが、自分や大切な人を守るための最低条件なんじゃないかなと思います。
あとは「自分の物差しを持つこと」。人の言っていることを100%鵜呑みにしないことですね。人の言う“塩少々”と、自分の“塩少々”って、ぴったり同じじゃない。人それぞれ違うからこそ、自分なりの“塩少々”をつまめないとダメなんです。自分の感覚をきちんと定量化していくこと。
それを持ったうえで、物事を見つめることが大事なんだと思っています。
【鳥羽シェフのターニングポイント3】
糖尿病は「チャンス」でしかないです。自分は料理の人間であり、糖尿病という課題も抱えている。ここにこそ、自分の立ち位置があると感じました。さらに、ビジネス領域のポテンシャルも感じています。
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