50代・60代・70代【お金の上手な使い方】とは? FP・井戸美枝さんがの悔いのない人生を送るための提言
食品から光熱費まで、幅広く物価高となった2025年。「2026年も、引き続き物価高は続くでしょう。発想を変えて、持っているお金をよりよく使う方法を考えるのが得策です」と言う井戸美枝さんに、安心して人生を楽しむための「年代別・お金の使い方アドバイス」を伺いました。
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>>50代からの【お金との賢い向き合い方】「貯める・残す」以上に「どう使うか」を重視して!
井戸美枝さん ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士
いど・みえ●国民年金基金連合会理事。
専門は、生活に身近な経済問題、年金・社会保険問題。
雑誌や新聞で連載をもち、「難しいことをわかりやすく」がモットー。
『ひとりで自分資産はつくれる 52歳からお金を貯める・増やす』(主婦の友社)、『ゼロ活~お金を使い切り、豊かに生きる!』(扶桑社)など著書多数。
年代別「お金を上手に使い切る」ためのアドバイス
お金を貯める技術があるように、お金を使うのにも準備とコツが必要。お金を上手に使うために、50代、60代、70代、それぞれの年代でやっておくべきこととは?
50代
心から好きなことを探すための、トライ&エラーにお金を使おう
好きなことを探してトライ&エラーできるとき。失敗しても、次を試せる気力も財力もあります。どんどん挑戦し、楽しいことを増やしましょう。生活費を稼ぐ「ライスワーク」から「ライフワーク」に仕事を変えていくのもこの時期。ハンドメイド品をネット販売するなど、好きで得意なものが仕事になるか考えてみるのもいいですね。
家計ではムダな出費を減らし、必要なところにお金をかけるメリハリで、心地よい老後に向け準備を。出費が引き締まり、老後資金づくりに弾みがつきます。
ワンポイントアドバイス
余裕分を投資にまわして、趣味資金にするのも◎
年金生活までまだ時間のある50代は、趣味資金づくりに投資を取り入れるのも手。
「しばらくは使わない余剰資金があるなら、NISA(少額投資非課税制度)で運用を。利益が非課税なので、効率よく再投資できます。『つみたて投資枠』なら初心者向きの投資信託が選びやすく、うまくいけば将来の趣味資金を増やせます」
60代前半
収入ダウンに直面する時期。お金は好きなことだけに集中!
退職して収入が減っても、「人は人」と割り切り、自分が心地よいことにお金を使う意識を徹底しましょう。増えた自由時間に、ボランティアで地域デビューして交流を広げるのも◎。高齢者施設ボランティアで介護の様子を学び、高齢期の過ごし方の参考にするのも一案です。
体調が少しずつ変化する年齢なので、5年日記をつけて体重や体脂肪率、歩行距離などを記録するのもおすすめ。「寒い冬に転びやすくなる」などと傾向がわかって、健康で充実した毎日を長く楽しむ指針になります。
ワンポイントアドバイス
ムダな加入はないか、保険を見直してみましょう
「よくわからない」と放置する人が多い保険だが、月2万円のムダな保険料は10年で240万円にも。
「貯蓄では賄いきれない万が一のための自動車保険、火災・地震保険以外は見直しを。子どもが独立したら、死亡保障はほぼ不要。医療保険も高額療養費制度があるので、貯蓄にある程度余裕があればなくてもOKです」
