高齢の親が「介護施設に入る」タイミングはいつ?介護施設の探し方は?【医師がアドバイス】
高齢の親の施設を検討するタイミングは、いつ? 介護施設の探し方は? 話題の新刊『親の介護で知りたいことが全部のってる本』から、一部抜粋してお届けします。介護施設という選択に、どこか後ろめたさを感じてしまう人も少なくありません。でも「専門職によるケアを受けられるのは、本人にとっても安心できること」。具体的に見ていきましょう。
介護施設に入るタイミングは?
「介護に限界を感じたとき」が目安
高齢の親を介護施設に入れるタイミングとして、多くの人が目安とするのが「トイレに1人で行けなくなったとき」です。排泄の介助は家族にとって負担が大きく、在宅生活を続けるのが難しくなる理由の一つです。要介護度の上昇や認知症の進行、火の不始末が増えた、夜間の見守りが必要になったなども介護生活の限界を示すサインといえます。
また、介護する家族が体調を崩したり仕事との両立が難しくなったりした場合も、施設入居を検討すべきです。無理を続けると、介護する側もされる側も疲弊してしまいます。
施設入居は家族全員で話し合って
入居を考える際は、本人を含めた家族全員で話し合うことが大切です。いきなり具体的な施設の話をするのではなく、「今後どう暮らしたいか」など、世間話の延長で、親に考え方を聞いてみるのもよい方法です。
要介護4・5になった場合は、特別養護老人ホームなどの入居も現実的な選択肢に。介護施設に入れることに罪悪感を抱く人もいますが、専門職によるケアを受けられるのは、本人にとっても安心できること。話し合いを重ね、お互いにとって最もよい形を探しましょう。
□ トイレに1人で行けなくなった
□ 夜間の見守りの必要性が高くなった
□ 火の不始末が増えた
□ 誤嚥のリスクが高まった
□ 認知症が進行した
□ 要介護4になった
□ 孤独感が強くなった
など
□ 遠距離で介護に通うのが難しくなった
□ 介護者が入院した、要介護状態になった
□ 仕事との両立が難しくなった
□ 介護に限界を感じている
など
私の介護体験
2人暮らしの両親は共に認知症で、母は要介護2、父は要介護1。介護サービスを使いながら支援していましたが、母の夜間のトイレの失敗が増え、安全と負担減を考え、地元のグループホームへの入居を決断しました。
(大阪府・60歳)
