茶道が一気に身近に!抹茶ブームの今「chabako」(茶箱)で楽しむスマート茶会 潜入ルポ
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ゆうゆうtime編集部
世界中で抹茶ブームが沸騰している。来日したインバウンド客が抹茶を求めて茶舗へ殺到し、値段が高騰。今や、ひとりにつきひとつと販売制限を行う店舗もある。
おいしさだけでなく、抗酸化作用などの健康効果にも注目が集まり、日本人が脈々と作り続けてきた抹茶の素晴らしさに、ついに世界が気づいてしまった、ということらしい。
目次
世界的抹茶ブームの今、もっと茶道を知ったほうがよくない? 私たち日本人
世界でそれほど価値が認められている抹茶だが、私たち日本人がどれほど抹茶に親しんでいるかというと、正直、それほどでもないのが事実。かつて華道と共に花嫁修業の必須科目だった茶道。だが、「花嫁修業」という言葉がすでに死語だ。
抹茶アイスや抹茶ラテ、抹茶を使ったスイーツ類を口にする機会は増えたが、日本人なら抹茶そのものを嗜む時間がもっとあってもいいのでは? と多くの人が感じ始めた。
だが、茶道を習うのはちょっと……、と敬遠する人も多い。日本が誇る伝統文化であり、総合芸術と言われる茶道。心得があった方がいいことはわかっていても、「作法がむずかしそう」「お金がかかりそう」「時間がない」など、タイパ、コスパの現代には正直ハードルが高い。
そんなとき、「茶箱」を使った小さな茶会が開催されるという情報が。はて、「茶箱」? 昔、実家の押し入れに大きな木の箱が入っていた。内側にトタンが貼られた、元々は茶葉を保管するための防湿・防虫効果のある箱。家では季節外の衣服をしまっていたが、まさかその茶箱ではないよね……。
ということで、12月のとある土曜日、東京・目黒のカフェで開かれた茶会に潜入した。
その茶会は、椅子に座ってお抹茶をいただく、いわゆる「立礼(りゅうれい)」式で、会場には椅子とテーブルが並んでいた。正座しなくていいことに、まずほっとした。
ディスプレイされていた小さな木の箱の蓋を開けると、中にお茶を点てるための道具類が格納されていた。箱も黒、道具も黒。一切の虚飾を排した潔さがある。ミニマルでスタイリッシュで、虚を突かれた気がした。これがこの日の茶会の主題である「茶箱」だった。
ほどなくすると和服姿の女性が入ってきた。茶会の亭主である茶道家の石川恭子さんだ。
