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美容研究家【91歳・小林照子さんの現在】若さを保つ秘訣は?仕事を続けられている理由も

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依田邦代

込めた祈りや願いが手から伝わる

指先を使うことは脳にいい、と言われるが、小林さんが手を使うとき、そこには強い思いが込められている。その思いが手を通して伝わっていく。

「私がメイクをすると、その人のスイッチがぐっと入ると言われます。メイクするときは『この人が喜びますように、幸せになりますように』と願いや祈りを込めます。人と人が肌を触れ合うって稀有なことでしょ。私は顔に直接触れさせてもらうわけです。それは鮮烈な経験なので、何十年も前に一回メイクしただけの人が私のことを覚えていてくれたりします」

コシノヒロコさんからは「自分の個性を引き出して尊重してくれるメイキャッパーだ」と評され、初井言榮さんからは「メイクをしてもらっているとき、母に抱かれた乳飲み子になった気分だった。おっぱいを飲んでいるような安堵感があった」と言われた。小林さんが「魔法の手」を持つと称されるゆえんだ。

「メイクされている人は、自分が理解されている感覚になるのかもしれません。年上の人にも、『きれいになりますように、いい舞台になりますように』と母親のような気持ちでメイクしますから」

「思いを込めれば、必ず伝わる」と確信するに至ったエピソードがある。

「18歳の頃、小学校の給仕というお茶くみの仕事をしたことがあります。高齢で退職された前任者は、「彼女の淹れるお茶は最高」と評判の人でした。ぬるめが好きな人、濃いめが好きな人など、30人ほどの教職員すべての好みに合わせて淹れ分けたそうで、安いお茶っ葉でも、とてもおいしくなった、と。私はとてもかなわないので、せめて『おいしくなりますように』と祈りながらお茶を淹れました。すると、『結構じょうずだよ』と言ってもらえて。気持ちを込めれば通じる、とそのとき確信しました。メイクアップアーティストになってからも、その信念は変わりません」

フランス製のオイルパステルを使って描いた作品。昨年、広島三越で展覧会も開催された。手に持った作品には金箔が施されている。

▼後編に続く▼

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撮影/小笠原真紀 
取材・文/依田邦代

※この記事は「ゆうゆう」2026年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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