記事ランキング マンガ 連載・特集

朝ドラ『風、薫る』序盤の山場!二人の選択はきっと「間違い」ではないはずだ——という希望が強く響いた

公開日

更新日

田幸和歌子

二人それぞれが、同じ方向を目指して歩き始めた

まず、直美はといえば、海軍中尉・栄介(藤原季節)との交際が進み、結婚へと話が進んでいく。しかし、この栄介が詐欺師の勘太であったことが判明する。アメリカに行って成功するという夢がいったん潰えた直美の選ぶ逆転人生の希望は、結婚によってのものだったが、それが崩壊してしまったことになる。しかし、そんな直美自身もまた、自らの身分を偽ってきたわけでもある。この一件が直美の気持ちを根っこから大きく揺らがせる。鹿鳴館に向かった直美は、捨松にこれまで身分を偽ってきたことを告白する。偽りなく、自分の力で立って生きていく、トレインドナースへの道へと大きく一歩を踏み出すきっかけとなった。

朝ドラ『風、薫る』序盤の山場!二人の選択はきっと「間違い」ではないはずだ——という希望が強く響いた(画像3)

「風、薫る」第17回より(C)NHK

いっぽうのりんはどうか。前述したように、「看護」への認識の理解度の低さ、地位の低さ、加えて女性が働くこと、職業婦人というものも世間的には理解があるはずもない時代だ。偏見というよりも、それが当たり前とされた時代だ。男女雇用機会均等法が制定されるのは、戦後からもだいぶ時期を要するような、この作品からは遥か遠い未来の話である。そんなところに自然なかたちで切り込んできたのが、謎多き青年・シマケンこと島田健次郎(佐野晶哉)だった。シマケンとの会話の中で、看護の本質について何かに気づく。そして、母ばかりでなく、自分自身にも看護に対する偏見があったことに気がつく。

朝ドラ『風、薫る』序盤の山場!二人の選択はきっと「間違い」ではないはずだ——という希望が強く響いた(画像4)

「風、薫る」第18回より(C)NHK

コロナ禍などを経て、現代の世のエッセンシャルワーカーの大切さと大変さ、それに見合うものが今なお十分ではないのではないかという問題も浮き彫りになったが、現代に連なる、人の日常生活の維持のための仕事への理解度をあらためて刻んでいかねばならないと思わせてくれる構成は、そこにさまざまな思いが込められているような気がする。

あらためて亀吉(三浦貴大)との離縁、そして娘の環(宮島るか)の親権の獲得などを経て、「私のすごろくの上りはもう奥様じゃない」と、揺るぎない決意を表明する。ことあるごとに「また間違えた」と後悔し続けてきたりんの人生において、この選択はきっと「間違い」ではないはずだという希望をともないながら強く響く。

そして看護学校入学式。りんと直美は再会する。二人それぞれが、誰かに選ばれるのでなく、自分の足で立って歩くという生き方を選び、同じ目標のもと、同じ方向を目指して歩き始めた。

朝ドラ『風、薫る』序盤の山場!二人の選択はきっと「間違い」ではないはずだ——という希望が強く響いた(画像5)

「風、薫る」第19回より(C)NHK

朝ドラ『風、薫る』序盤の山場!二人の選択はきっと「間違い」ではないはずだ——という希望が強く響いた(画像6)

「風、薫る」第20回より(C)NHK

▼あわせて読みたい▼

【意外な急展開】朝ドラ「風、薫る」第2週「灯」のネタバレ感想:夫がクズでも人生を変える転機は… >>朝ドラ【風、薫る】第1週で気になる“意外な存在”とは?占い師(研ナオコ)の予言と伏線を読み解く >>【豊臣兄弟!】第1回から最新話までのあらすじを一気読み!(ネタバレあり)
「アスタリフト」をたった7日試しただけでわかったこととは

「アスタリフト」をたった7日試しただけでわかったこととはPR

詳細はこちら
画面トップへ移動