【アジサイの分類】がまるわかり! 自生種・園芸アジサイ・アナベル…主な観賞用アジサイをまとめて整理
店先に並ぶ、花色も姿も個性豊かなアジサイたち。その多様さの裏にある性質やそのルーツなどは意外と知られていないもの。それらを知ることで、アジサイ栽培で悩みの多い「いつ、どう剪定したらいいのか」が解明できそうです。植物好き、特にアジサイ好きで知られる田島道男さんに、ヤマアジサイを含むアジサイ全般について考察していただきました。
日本で生まれた3種の自生種
日本列島には、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、エゾアジサイが自生しています。ヤマアジサイが朝鮮半島の南の一部に自生することを除けばこの3種は日本列島にしか自生していません。
これらのいくつかの品種がヨーロッパに渡って改良され、西洋アジサイと呼ばれる品種群のもとになりました。江戸時代後期にドイツ人医師のシーボルト(1796−1866)が持ち帰ったオタクサと呼ばれた品種は特に有名です。オタクサ以外にも、イギリス人のジョセフ・バンクス(1743−1820) や、チャールズ・マリーズ(1851−1902)らが導入した品種がその後の西洋アジサイの発展に大きく貢献しました。
西洋アジサイとは、ヨーロッパにおいて改良されたアジサイの総称であり、アジサイの種類を表す名称ではありません。また、最近ではハイドランジアともいわれますが、これも西洋アジサイ的な容姿の品種に対する呼称で、やはりアジサイの種類を指すものでないのです。ハイドランジア(Hydrangea)は、アジサイの学名ですが、これを用いることで西洋的なアジサイを総称したと考えられます。
「西洋アジサイ」から「園芸アジサイ」へ
戦後、西洋アジサイが逆輸入のように日本に入ってくるようになり、再評価されたことでアジサイはより身近な植物となりました。ここ数十年でアジサイは母の日の贈答花の定番となり、また梅雨時期にはアジサイ寺などがにぎわいを見せています。そしてそれに伴い、日本や欧米において品種改良も盛んになりました。近年発表されるアジサイの新品種の多さには目を見張るものがありますが、ヤマアジサイなど日本の自生種の多様性が見直され、いま再びそれらが積極的に品種改良に使われるようになってきています。
西洋アジサイというと、ガクアジサイのような大きな葉、太い茎、旺盛な草姿に大きく華やかな花が特徴的でしたが、品種改良が盛んになり、そうではない品種も増えています。また日本国内で改良された品種も多く、西洋アジサイという呼称が適当でなくなってきているため、最近ではアジサイの交配種をまとめて“園芸アジサイ”と呼ぶようになっています。園芸アジサイは人が交配して作ったアジサイの品種全般を指す呼称です。
※園芸アジサイという呼称は、アジサイ百科(2010年 アボック社)にて提唱されたものを採用させていただいています。
