腸は年齢とともにどう変わる?便秘が増える理由と腸を若返らせる3つのポイント
腸食の基本は「発酵食品+食物繊維」
先述したように、食事については「有用菌を意識してとることが重要」と山村さん。具体的には、どんなものをとるとよいのでしょうか。
「『発酵食品+食物繊維』は、毎日とってほしいですね。発酵食品には、ビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌といった有用菌がたっぷり含まれています。
口に入れた有用菌は、食物繊維をエサにして発酵しますが、その過程で酢酸や酪酸、プロピオン酸などの“短鎖脂肪酸”を生み出します。短鎖脂肪酸には、腸のエネルギー源になるだけでなく、腸のバリア機能を守り、有害菌が増えにくい環境をつくる働きがあるため、発酵食品と食物繊維はセットでとるのが、よい腸をつくるのに欠かせないのです」
この短鎖脂肪酸を生み出す食物繊維を“発酵性食物繊維”と言いますが、その代表的なものが水溶性食物繊維のほか、食物繊維のように働くレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)やオリゴ糖などです。
「不溶性食物繊維は、ごぼうや玉ねぎなどのイヌリン、りんごや柑橘類などのペクチン、オートミールやもち麦などのβグルカン、わかめや昆布などアルギン酸に含まれます。またレジスタントスターチは、冷えたごはんやじゃがいも、青めのバナナ、豆類、長芋など。オリゴ糖は豆類や果物、はちみつに多く含まれています」
発酵食品と食物繊維の組み合わせとは、例えばどんなものでしょうか。
「ヨーグルトにオートミールやはちみつを加えたり、納豆に海藻を合わせてサラダにしたりするとよいでしょう。また野菜を使った漬物は、それ自体が発酵食品と食物繊維を兼ね合わせたものになっています。その土地ごとの漬物を改めて見直すのもいいですし、キムチやザワークラウトなど、海外の漬物を食卓に取り入れるのも新鮮です。
また最近は麹が身近になっています。料理に塩麹やしょうゆ麹を使う人も多いですし、甘酒も人気。でも、やっぱり麹の代表選手は味噌です。味噌汁の中に海藻や野菜を入れるだけで、発酵食品+食物繊維になります。材料がなければ、とろろ昆布や切り干し大根など買い置きの乾物を入れてもいいし、のりをちぎって入れてもいい。とにかく味噌汁は懐が深いんです」
ポイントは、なるべく頻繁に、そして多種類のものをとること。
「有用菌は、腸に定着せず、摂取をやめると減っていくので、繰り返しとることが大事です。また発酵性食物繊維は食品の発酵速度によって、大腸で発酵する場所が入口、中間、奥と異なるので、同じものばかりでなく、いろいろなものを食べて、腸に多様な菌を入れましょう。いろいろな種類の発酵性食物繊維をとることで、短鎖脂肪酸を継続的に生み出すことになります。市販のヨーグルトや納豆も、いつも同じものではなく、次に買うときは、少しミーハーな気持ちで違うものを選んでみる。そうすると、また違う菌が入ってよい刺激になります。ちなみにヨーグルトは乳酸菌で発酵させているので、多くに乳酸菌が入っていますが、ビフィズス菌が入っているかどうかは商品によりけり。ビフィズス菌入りがほしいときは、『ビフィズス菌入り』表示のものを選びましょう。また『生きて腸まで届く』とうたわれるヨーグルトは、胃酸に強い菌として乳酸菌やビフィズス菌が入っていることが多いですね」
「発酵食品+食物繊維」は1日3食のうち、必ず1食は入れてほしいと山村さん。
“生きるエネルギー”をつくる腸活
とはいえ、急に食物繊維を増やすのは要注意とか。
「食物繊維を急に増やすと、おなかが張ってしまうことがあります。特にガスが多くなってきたと感じる人が増やすと、パンパンに感じることがあります。ただし、おなかが張ってもゼロにせず、少し減らす程度にしましょう。その分、水分を増やして調整すると、おなかの張りが落ち着きます」
1日3食が基本ですが、食の細い人は何回かに分けてもよいそう。
「食べられないと体力も落ちるし、腸の働きも弱っていくので、1日の中で分けて少しずつでも食べてほしいですね。間食に果物やヨーグルトを食べるのは、とてもよいですね」
食べることは生きるエネルギーだからこそ、食事は大切にしてほしい、そう山村さんは言葉に力を込めます。
「腸が元気になれば食欲も出るし、しっかり食べられます。ゆうゆう世代が腸活をすると、どんないいことがあるの?と聞かれたら、やはり生きるうえでの楽しみが増えるから、とお答えしたいですね」
まずは今夜の食事から何か一品、“腸食”を加えてみましょう。
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