巻き爪・ウオノメ・かかとのひび割れ……足トラブル別セルフケア術【足連載/第10歩・後編】
前編では、足や爪を健康に保つための日常ケアや室内履き、外靴選びについてご紹介しました。後編では、多くの方が悩む巻き爪やウオノメ、タコ、かかとのひび割れなどについて、自宅でできるセルフケアを、「JPポドロジースクール」と「爪切り屋 足楽」を運営する中村美紀さんに伺いました。
目次
巻き爪のセルフケアは「清潔」と「保湿」が基本
まず注意したいのは、巻き爪の状態によってはセルフケアを行わないほうがよいケースがあることです。
「炎症や傷がある場合は、自分で処置しようとせず、まず皮膚科を受診してください。爪が皮膚に刺さっている状態や傷がある状態は、ホームケアの対象外です」
傷や腫れがない場合は、爪周りを清潔に保つことが大切だといいます。
「専用ブラシがあれば理想ですが、なければ柔らかい歯ブラシでも構いません。足専用に一本用意し、爪の根元から先端に向かってやさしくブラッシングしてください」
ゴシゴシこするのではなく、汚れをかき出すイメージで行うのがポイントです。
このケアには清潔を保つだけでなく、爪の成長を妨げる不要な角質や甘皮の肥厚を防ぐ役割もあります。
「必要な部分は残しつつ、不要な角質や汚れを取り除くことで、爪が本来の形で伸びやすくなります」
さらに、洗浄後は必ず保湿を行います。
「クリーニングと保湿。この二つが、まず実践していただきたい基本ケアです」
ウオノメ・タコは“角質をためない”ことが大切
ウオノメやタコのケアで重要なのは、厚くなる前の日常ケアです。
「ヤスリやカミソリで削る方もいますが、まずは毎日きちんと洗うことをおすすめします」
足裏は全身を支えるため、元々角質層が厚い部分です。その上、摩擦などのさらなる刺激が加わることで保護力が働き、より厚くなってしまうのです。
「専用ブラシやフットブラシがあれば活用し、なければ浴用タオルでも構いません。ボディーソープを泡立てて、足裏もしっかり洗いましょう」
昔に比べて、シャワー文化も影響してか、お風呂場で足裏を丁寧に洗う習慣が減っている人も多いそうです。
「足裏も日々新陳代謝しています。毎日洗って余分な角質をため込まないことで、硬く厚くなるスピードを抑えられます」
そして、洗浄後には保湿も忘れずに。
「爪も皮膚も同じタンパク質でできています。ケアの基本は共通で、『角質をためないこと』と『水分を与えること』です」
足裏保湿はローションから始めてみる
かかとのケアも基本的な考え方は同じです。
「傷がなければ、お風呂でしっかり洗ってください。ひび割れや傷がある場合は皮膚科の受診をおすすめします」
かかとが硬くなったり、ひび割れたりするのを防ぐためには、毎日の洗浄と保湿が欠かせません。
「鏡餅のように厚く硬くなる前に、お風呂で洗い、保湿する習慣をつけましょう」
保湿が大切と分かっていても、なかなか続かないという方も少なくありません。
その理由について中村さんは、「ベタつきやすべりやすさ」が大きいと話します。
「足裏に保湿剤を塗るのは意外とハードルが高いんです。床ですべりそう、ベタつく、などと感じる方も多いですよね」
そこでおすすめなのがローションタイプの保湿剤です。
「まずはベタつきの少ないローションなど液状のものを試してみてください。スプレータイプなら、お風呂上がりの濡れた足に吹きかけるだけなのでより手軽です」
足首から先、あるいは膝下まで広めに使ってもよいそうです。
「まずは保湿を習慣化することが大切です」
さらに余裕がある日は、寝る前にクリームで追加保湿を。
「ハンドクリームの残りでも構いません。寝る前にひと手間かけるだけでも違います」
普段履きサンダル選びで見直したいポイント
最後に、近所への買い物や庭仕事などで使うサンダル選びについて伺いました。
「ちょっとした外出用のサンダルも、考え方は室内履きと同じです」
中村さんが挙げるポイントは次の3つです。
・かかとが安定する
・土踏まずが支えられる
・指がしっかり接地できる
「特に重要なのは、かかとがきちんと収まることです」
かかと部分にカップ状の支えがあり、足が安定する設計かどうかをチェックするとよいそうです。
さらに、足裏の横アーチをサポートする構造も重要です。
「横アーチが支えられると、指が自然に伸びやすくなり、浮き指の改善にもつながります。横アーチをサポートするのに、湧泉(ゆうせん)というツボ(※イラストの赤丸部分)をギューッと押してあげると、指は真っ直ぐ伸び、浮き指は自然と下がります。ですので、この湧泉付近をきちんと支える履き物がいいのです」
サンダルや室内履きはもちろん、インソール選びも足への負担を大きく左右します。
「かかとが安定し、土踏まずが支えられ、指がしっかり使える。この三つがそろった履き物は、足にとって理想的です」
足の健康は毎日の積み重ねから
巻き爪やウオノメ、タコ、かかとのひび割れなど、多くの足トラブルは毎日のケアによって予防や改善が期待できます。
中村さんが繰り返し語っていたのは、「ため込まないこと」と「保湿すること」。
そして、足に合った靴下や室内履き、サンダルを選ぶことも大切なケアの一つです。
毎日使う足だからこそ、少しだけ意識を向けてみませんか。未来の足の健康につながる第一歩になるはずです。
【今日からできる足ケア習慣】
足裏の保湿は、さっぱりローションから始めてみよう
>>連載「足が変われば人生が変わる~一生自分の足で歩くために」バックナンバー
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JPポドロジースクール学院長
足専門の爪切りサロン「爪切り屋 足楽」オーナー、JPポドロジースクール学院長。ドイツ ノルトラインヴェストファーレン州メディカルフスフレーガリン、ドイツ ノイエンブルグポドロギーシューレ インターナショナルインストラクター。シデスコ認定インターナショナルエステティシャン、日本エステティック協会認定エステティシャン、日本美容専門学校エステティック科講師を務める。エステティシャンとして働くなかでドイツ式フットケアと出合い、渡独して5年間学ぶ。帰国後は、日本人の生活習慣に合わせた独自のフットケアシステム「JPポドロジー」を構築。巻き爪や爪トラブルのケアをはじめ、“痛みを繰り返さない足づくり”を提唱し、後進育成にも力を注いでいる。
足専門の爪切りサロン「爪切り屋 足楽」オーナー、JPポドロジースクール学院長。ドイツ ノルトラインヴェストファーレン州メディカルフスフレーガリン、ドイツ ノイエンブルグポドロギーシューレ インターナショナルインストラクター。シデスコ認定インターナショナルエステティシャン、日本エステティック協会認定エステティシャン、日本美容専門学校エステティック科講師を務める。エステティシャンとして働くなかでドイツ式フットケアと出合い、渡独して5年間学ぶ。帰国後は、日本人の生活習慣に合わせた独自のフットケアシステム「JPポドロジー」を構築。巻き爪や爪トラブルのケアをはじめ、“痛みを繰り返さない足づくり”を提唱し、後進育成にも力を注いでいる。
イラスト/草野かおる
