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小指の爪が小さい人は要注意?夏前に始めたい巻き爪・足トラブル対策【足連載/第9歩】

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ゆうゆうtime編集部

足の痛みや巻き爪、爪の変形など、気になるトラブルがあっても「どこに相談すればいいかわからない」と悩む人は少なくありません。ドイツでメディカルフットケアを学び、日本で普及に取り組んできた中村美紀さんに、フットケアの大切さや、足を健やかに保つために必要なことを伺いました。

エステティックサロン勤務を経てドイツへ渡り、本場のメディカルフットケアを学んだ中村美紀さん。
帰国後は足のプロ養成フットケアスクール「ルックポドロジースクール」を開設し、現在は「JPポドロジースクール」として全国へ活動を広げています。
さらに、爪のケアを専門とするサロン「爪切り屋 足楽」を運営し、多くの人の足や爪の悩みに向き合ってきました。

今回は、中村さんがフットケアと出合ったきっかけから、日本でフットケアが必要とされる理由、日常で意識したい足のケアについてお話を伺います。


痛くなってからでは遅い? ドイツで出合ったフットケアの本質

中村さんが足や爪の専門ケアに関心を持ったきっかけは、ドイツでメディカルフットケアを学んだ経験でした。
「最初から“爪切り専門”を目指していたわけではないんです。きっかけは、ドイツのメディカルフットケアとの出合いでした」

実は中村さん自身、若い頃から足の悩みを抱えていたそうです。
「私は足のサイズが26センチあるのですが、当時は女性用の靴が24.5センチくらいまでしかなくて、無理やり小さい靴を履いていました。そのせいで足指は曲がり、タコができ、爪も反り返ってしまって。さらに化粧品会社に入社してヒールを履く機会が増え、症状は悪化しました」

その後、エステサロンで働くなかで、多くのお客様が足のトラブルに悩んでいることにも気づきます。そんなとき、美容学校時代の恩師から「足について学んでみない?」と声をかけられたことが転機になりました。

「ドイツのメディカルフットケアの考え方に触れたときは、本当に衝撃でした。『これは日本にも必要だ』と強く感じて、すぐにドイツへ渡ったんです」
ドイツで学んだのは、単にウオノメやタコを削る技術ではなく、“トラブルを繰り返さないための考え方”でした。

「当時の日本では、『硬いし痛いから削る』という対症療法が中心でした。でもドイツでは、“そもそもウオノメやタコができないようにするにはどうしたらいいか”を重視していたんです。なぜ足裏のその部分に負担がかかるのか、歩き方や靴、生活習慣まで含めて原因を考える。その“予防”の発想に、とても驚きました」

さらにドイツでは、糖尿病による足のトラブルなど深刻なケースも多く、足の健康管理が社会的な課題として認識されていたといいます。

「食生活や靴文化、石畳の環境なども影響して、ドイツ人は日本人より足トラブルが深刻な方が多い印象でした。糖尿病患者も当時の日本より多く、足の切断につながるケースも少なくありませんでした。だからこそ、“悪くなる前に防ぐ”という考え方が根付いていたんですね」

足の悩みは「角質」から「爪」へ。時代とともに変化するフットケア事情

ドイツで学びを深めた中村さん。帰国後、日本のフットケア事情には大きな変化を感じたといいます。

「1990年にドイツへ渡る前は、化粧品会社直営のエステティックサロンで、お客様の足をケアしていました。当時はバブル期だったこともあり、ピンヒールやパンプスによるタコやウオノメ、爪が食い込む“巻き爪”のトラブルがとても多かったんです」

来店者の多くが、足の痛みを抱えていたそうです。
「4年ほどの間に、来店される方の65%くらいが“足のケア目的”でした。『ヒールを履きたいので、この痛みをなんとかしてほしい』という切実なお声を、本当にたくさん聞いてきました」

ところが、1995年に帰国すると、少しずつ足の悩みの傾向が変わり始めていました。
「2000年を過ぎた頃から、特に2005年前後には、角質トラブルより“爪”の悩みを抱える方が圧倒的に増えてきたと感じました」

ちょうどその頃、中村さんは「爪切り屋 足楽」を創業者から引き継ぎます。今年で20周年を迎えるサロンでは、現在も多くの足の悩みに向き合っています。

「サロンで2000人を対象にアンケートでご来店のきっかけ(複数回答可)を伺ったところ、来店時のお悩みの1位は『巻き爪・爪の食い込み』で52.9%、2位は『足の爪が切れない』で36.9%でした。この2つを合わせると、約9割の方が“爪のケア”を目的に来店されていることになります」

一方で、かつて多かったウオノメやタコなどの角質トラブルは、現在では3位(30.7%)となっています。
「以前は角質ケアが中心だったので、まさに大逆転ですよね。背景には、超高齢社会が進んだことや、足への意識が高まったことがあると思います。もともと潜在的にあった悩みが、“相談できる場所”ができたことで表面化してきたのではないでしょうか」

足の爪は“体を動かす力”を支える存在だった

足の爪のお手入れは、なぜそこまで大切なのでしょうか。
中村さんは、「足は体の土台」だと話します。

「建物でも乗り物でも、土台がぐらぐらしていたら不安ですよね。私たちの体も同じです。足元が安定しているからこそ、立つ・歩く・踏ん張るといった動きができるのです」

そのなかでも重要なのが、“足指”の働きだといいます。
「人は足指を使って体を支え、地面を蹴って前へ進みます。小さな足指が強い力を受け止められるのは、爪が“甲羅”のように支えているからなんです。もし爪に痛みや変形などのトラブルがあると、足指をうまく使えなくなってしまいます」

足指が使えなくなると、歩き方や姿勢にも影響が出て、結果として全身の不調につながることもあるそうです。
「指が使えないと足全体のバランスが崩れ、さらに体全体をうまく使えなくなってしまいます。ですから足の爪を整えることは、単なる美容ではなく、健康的に生活するためにとても大切なことなんです」

また、サロンには「自分で爪が切れない」という悩みを抱えて来店する人も多いといいます。
「足の爪が見えない、体が硬くて足先まで届かない、力が入りづらくて切れない……理由はさまざまです。特に男性は、お腹がつかえて前かがみになれないという方も少なくありません。“体が硬くて届かないタイプ”と“お腹が邪魔で届かないタイプ”がいらっしゃいますね」

「小指の爪がない」は要注意? 足指が教えてくれる負担のサイン

中村さんによると、近年増えているのが「小指の爪が小さい」「形が変わっている」といった悩みだそうです。

「私がフットケアを始めた頃は、“小指の爪が小さい人は6人に1人”と言われていました。でも今はもっと多く、小指の爪がしっかり残っている方のほうが少ないくらいなんです。きれいな小指の爪を見ると、思わず『爪、きれいですね』と言ってしまうほどです」

その背景には、長年の靴習慣があるといいます。
「爪が皮膚から持ち上がって上を向いているタイプの方は、過去に靴の中で小指を強く圧迫していたケースが多いです。小指の先の骨が押し上げられるように変形し、それに合わせて爪も上を向いてしまうんですね」

こうした状態を悪化させないためには、足指をしっかり伸ばし、圧迫を減らすことが大切だそうです。

また、小指自体が外側にねじれ、爪が横を向いてしまっているケースも少なくありません。
「このタイプは、爪が厚くなったり、二枚爪のように割れたりしやすい特徴があります。原因の多くは、日本人の靴選びです。特に女性は長年、つま先の細い靴を履く文化がありました。小さい頃から小指が圧迫され続けた結果、変形が起きやすくなっているのだと思います」

最近はスニーカーを履く人も増えていますが、長年積み重なった足への負担が、今になって爪のトラブルとして現れているケースも多いそうです。


次回は、こうした足や爪のトラブルを和らげるセルフケアや、日常生活で気をつけたいポイントについて伺います。

【今日からできる足ケア習慣】
自分の足の爪をまずは観察。状態を自覚するところから始めよう。

>>連載「足が変われば人生が変わる~一生自分の足で歩くために」バックナンバー


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監修者
中村美紀

JPポドロジースクール学院長

足専門の爪切りサロン「爪切り屋 足楽」オーナー、JPポドロジースクール学院長。ドイツ ノルトラインヴェストファーレン州メディカルフスフレーガリン、ドイツ ノイエンブルグポドロギーシューレ インターナショナルインストラクター。シデスコ認定インターナショナルエステティシャン、日本エステティック協会認定エステティシャン、日本美容専門学校エステティック科講師を務める。エステティシャンとして働くなかでドイツ式フットケアと出合い、渡独して5年間学ぶ。帰国後は、日本人の生活習慣に合わせた独自のフットケアシステム「JPポドロジー」を構築。巻き爪や爪トラブルのケアをはじめ、“痛みを繰り返さない足づくり”を提唱し、後進育成にも力を注いでいる。

足専門の爪切りサロン「爪切り屋 足楽」オーナー、JPポドロジースクール学院長。ドイツ ノルトラインヴェストファーレン州メディカルフスフレーガリン、ドイツ ノイエンブルグポドロギーシューレ インターナショナルインストラクター。シデスコ認定インターナショナルエステティシャン、日本エステティック協会認定エステティシャン、日本美容専門学校エステティック科講師を務める。エステティシャンとして働くなかでドイツ式フットケアと出合い、渡独して5年間学ぶ。帰国後は、日本人の生活習慣に合わせた独自のフットケアシステム「JPポドロジー」を構築。巻き爪や爪トラブルのケアをはじめ、“痛みを繰り返さない足づくり”を提唱し、後進育成にも力を注いでいる。

イラスト/草野かおる

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