歩くだけではもったいない! 足指を意識するだけで変わる健康寿命【足連載/第11歩】
今回は、足育研究会代表で皮膚科医の高山かおる先生に再びお話を伺い、連載開始時にお話しいただいた足の健康や“トータルフットケア”の重要性、足の教育についてなど、インタビューしました。
目次
連載第1回で高山先生から、
「健康寿命を延ばすために、間違った歩き方や合わない靴でただ歩数を稼いでも、かえって体を痛めるだけ。"ただ歩くだけではだめ"なんです。正しい爪の切り方を行ったり、運動もできているのか、自分にとって適切な靴下なのか、靴の履き方は正しいのか、今一度見直していただきたいのです」
とのコメントがありました。
・足や爪の状態を確認すること(フットケア)
・適切な靴下や靴を選ぶこと(フットウエア)
・靴を正しく履くこと
・歩く姿勢を整えること
・足指のストレッチを行うこと
・爪切りや保湿などの日常的なケアを行うこと
これらを総合的に整えることが大切ということで、
くわしく教えていただきました。
靴や靴下は、使用する場面や足の状態、お悩みに合わせて選ぶ
「仕事、買い物、散歩、運動、長時間歩く日など、使用する場面や目的、歩く時間や距離に応じて、靴を選ぶ必要があります。ですが、ご本人が気づいていないだけで、タコなど何らかのサインがあることが多いのが実情です。すべての人にきちんと靴を選んでほしいという思いから、ただ靴を買うのではなく、足のトラブルも相談できる専門のシューフィッターなどに見てもらうのが望ましいです」
以前、高山先生は「足の健康のために、靴選びは意外と難しいので、靴下なら手軽に取り入れられます」とお話されていました。
そこで、機能性靴下についても伺いました。
「靴下も、トータルフットケアを構成する大切な要素の一つです。“どんな足にもこれがいい”と一概には言えず、じっとしているときか、動いているときかなど、シチュエーションで適したものが変わります。“足の状態や使用目的に合わせてサポートする機能のある靴下を選ぶ”ことです」
靴下選びのポイントは、
・足指が窮屈にならず、動かしやすいこと
・縫い目や締めつけが足への負担にならないこと
・汗や湿気への配慮があること
・靴と組み合わせた際に、ずれや圧迫が生じないこと
・足の状態や使用目的に合っていること
とのこと。
これらを意識して選ぶといいでしょう。
足ケアのポイントは、洗うこと、靴や靴下選び、ストレッチ
トータルフットケアのためには、次のようなことを個別に行うのではなく、組み合わせて、足の状態を整えることが重要です。
・足の皮膚や爪を観察する
・足を清潔に保ち、必要に応じて保湿する
・爪を適切な長さと形に整える
・足の足指の動きや足への負担に配慮した靴下
・目的や足の状態に合った靴を選ぶ
・靴を正しく履く
・足指を動かし、ストレッチをする
・無理のない姿勢や歩き方を意識する
「最初にすべきことは、足を清潔に保つこと。よく洗って、保湿し、爪は深く切りすぎず、足指の先端と同程度の長さを目安に整えることが基本です。そして靴や靴下選び。足指のストレッチや靴の履き方も意識しましょう。足の健康が、ひいては健康寿命につながると考えます。最近はとくに“足指”がキーワード。足指を意識的に動かし、体重を乗せる感覚が大切です」
“わざわざやる”より、日常動作の中で取り入れる発想を
足指を意識した運動などは、「続けられることが一番大事」と言います。
「かかと上げ運動のようなその場でできる運動もいいですし、家でやるなら、ゆるゆる屈伸や足首回しなどもおすすめです。足指を1本ずつ揉むことも有効ですが、いちばん簡単で続けやすいのは、“立っているときや歩いているときに足指を使うこと”です。“わざわざやる”では続きません。日常動作の中で取り入れるのが大事です」
歩いている最中に足指を意識することも意味があるとか。
「アスファルトの上だと、足指をあまり使わなくても歩けてしまいます。だからこそ、普段の歩行中に足指を意識するだけでも違います。歩行の軌道を少し意識して、歩き方としては、かかとから着地し、足裏全体へ体重を移動させ、最後に足指が自然に使われるイメージ。足裏の軌道を意識したインソールもあります。
何はともあれ歩くことです。どんなに揉んでマッサージしても、歩くことが大切です。一生続けるには、習慣化できる運動を積み重ねていきましょう」
靴や靴下を含めたトータルフットケアによって、足を良い状態に整え、無理なく歩くことが大切です。
健康診断の項目に足長・足囲の測定もあってほしい
最後に、高山先生ご自身が足の健康のために日頃行っていることを教えていただきました。
「洗浄や保湿、機能性靴下も履いていますし、定期的な運動も意識しています。歩数も確認し、歩く姿勢にも気を配っています。スマホなどで歩数記録も振り返っています。記録ということで言えば、広まるといいなと思っていることとして、健康診断の際に『足の測定』を、身長や体重などと一緒に実施してほしいとも願っています」
高山先生が懸念する「あまり歩かなくなった子供の将来」について、こんな思いも伺いました。
「足の教育について、子供の足については、教育や啓発がもっと必要だと考えています。身長や体重と同じように、足長・足囲も測ってほしいのです。異常に早く気づき、必要に応じて適切な診療科や専門職につながることが大切です。
また、靴の履き方などを教える機会はあったほうがよいと思っていますし、『子供の足の健康のしおり』といった足育推進授業の教材も存在しています。少しでも足の健康への理解を深め、多くの方が早期から向き合って取り組んでくださることを願っています」
【今日からできる足ケア習慣】
足指を意識しながら歩こう
>>連載「足が変われば人生が変わる~一生自分の足で歩くために」バックナンバー
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医師
足育研究会代表、皮膚科医。1995年に山形大学医学部を卒業後、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)で医学博士を取得。2015年には「100歳まで自分の足で歩ける社会づくり」を目指し、一般社団法人足育研究会を設立。代表として足の健康啓発活動を積極的に展開するとともに、歩行教室などを開催し、正しい足のケアと健康な歩行の普及に取り組んでいる。現在は埼玉県済生会川口総合病院にて足と爪のケア外来を担当するとともに、靴外来を開設。対症療法にとどまらず、足トラブルの原因を追究し、根本的な改善を目指した診療を行っている。テレビ出演や著書を通じても、足の健康の重要性を広く発信している。
足育研究会代表、皮膚科医。1995年に山形大学医学部を卒業後、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)で医学博士を取得。2015年には「100歳まで自分の足で歩ける社会づくり」を目指し、一般社団法人足育研究会を設立。代表として足の健康啓発活動を積極的に展開するとともに、歩行教室などを開催し、正しい足のケアと健康な歩行の普及に取り組んでいる。現在は埼玉県済生会川口総合病院にて足と爪のケア外来を担当するとともに、靴外来を開設。対症療法にとどまらず、足トラブルの原因を追究し、根本的な改善を目指した診療を行っている。テレビ出演や著書を通じても、足の健康の重要性を広く発信している。
イラスト/草野かおる
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