50代からの体メンテ筋トレは「肩甲骨・背骨・股関節」がカギ:動き出しが重い体を整える3つの基本
「最近、疲れやすい」「体が固くなった」「動き始めが重い」——そんな変化を感じていませんか。大きな不調がなくても、それは体の使い方や筋肉のバランスが変わってきたサインかもしれません。フィットネストレーナー・前田修平さんの新刊 『衰えないための健康しなやか筋トレ 50代から始める、動ける体のメンテナンス』(KADOKAWA刊)から、肩甲骨・背骨・股関節を整え、動ける体をつくる筋トレをご紹介します。
3つの部位を鍛えて、健康しなやかを手に入れる
制限がないストレスフリーの体を目指す
私が考える「健康でしなやかな体」とは、違和感や痛みなく、思い通りに動ける体。加えて、制限なく、ストレスフリーで自由度の高い体だと思います。「制限がない」というのは、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)にもつながる言葉で、人生100年時代といわれるいま、土台を作っておきたいのが50代です。
筋トレをすると筋肉量が増えて外側だけが大きく変わると思われがちですが、活動的になる、睡眠の質が上がる、ポジティブになるなど、影響は広く内面にも及びます。心と体、暮らしやメンタル面までも「健康しなやか」にしてくれるのです。
体は3段階、3ヶ月のスパンで変化する
人間の体が変化していく過程には、おおよそ3段階あります。
個人差はあるものの、まず使っていなかった筋肉が目覚めて使えるようになるのに約4週間かかります。くり返すことで、その動き方が定着するのに4週間から8週間。ここまで早くて約2ヶ月。さらに、その動きが自分のものになるのが、始めてから約3ヶ月目といわれています。「少しでも早く体を変えたい」という気持ちはわかりますが、焦ったり、投げ出したくなったりしないためにも、体の変化は3ヶ月スパンで見るのが適当だということを知っておいてください。
最初の1ヶ月は、とにかく体を反復して動かし、眠っている筋肉や心を目覚めさせましょう。脳は、使っていない部分を不要と判断し、エネルギーを使わないように眠らせてしまいます。これは脳の生存戦略なので、「使っていない」と判断されないように、くり返すことが大切なのです。2ヶ月目は適切な動きを体に覚え込ませ、定着させることを心がけましょう。3ヶ月目に入れば、脳は運動の心地よさのほうを習慣として上書きするようになります。
健康しなやかの土台はこの部位
このあと紹介する筋トレのメニューは、肩甲骨、背骨、股関節をクローズアップしています。
肩関節と股関節は「球関節」と呼ばれます。関節の先端が球状になっていて、あらゆる方向に回転する特徴がある関節です。背骨は直立二足歩行を支える人間のコアになる部分。多方向に動かせることから、体のなかでもっとも自由度が高い部位の一つです。
本来大きく多様に動かせるはずなのに、動かしにくい、違和感がある、動かす機会がない。それが多くの50代に共通する3つの部位の状態で、日常生活の質にも大きな影響を与えると考えたからです。人混みで人をよけられなくなった、段差にサッと対応できない、あるいは自分の背中を自分で掻くことができない……など。そんな50代の〝あるある〟も、この3つの部位の不全が関係しているのです。
加えて、メニューには体幹と下半身の筋力低下に対応する大きな動きも取り入れています。
