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「人生から逃げている気がする」高校生の息子を心配する母へ。美輪明宏さんの“見守る”人生相談

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美輪明宏

【回答】息子さんは普通。そっと見守りましょう

お母様は心配性ですね。私は、息子さんは現代の普通の子だと思います。ただ、お母様は息子さんと違って、苦労をして大学を出ていらっしゃるようですし、東大の学生がテレビのクイズ番組に出て活躍しているご時世です。こうした状況ですと、世のお母さんたちが焦る気持ちも少しは理解できます。もっとも、彼ら彼女らは東大の中でも稀有な存在なのですが。

いずれにしても、過干渉はあまりよくないと思います。このままそっと見守るほうがいいのではないでしょうか。子どもには子どもの人生があります。親が必死に作った道を歩むことによって「いい大学」に入ったとしても、いざ社会に出たときには役に立つ人間にはなりません。

子どもが育って世の中に出た時、自分で考える力が備わっていることがとても重要です。ですから、若いうちからそうした能力を育てたほうがいいと思います。中学や高校しか出ていなくても、社会に出てから色んな苦労や転職を重ねて成功をつかむ人もたくさんいます。

何より、この時期に「勉強しろ」「将来を考えろ」などと親に言われると、子どものほうも「言われなくても」と反発したい気持ちになるのが普通ではないでしょうか。

一つ手があるとすれば、第三者にそれとなく言ってもらうことでしょうか。身内の言葉には重みや説得力がありません。「うるせえなあ。また始まった……」と思われるのが関の山なのです。

息子さんは芸人の話ばかりするといいますが、この年代の男の子として、いたって普通です。「人生のことを考える時期」といいますが、幼い頭で考えるよりも、自分なりに経験と年を重ねることが大切なのではないでしょうか。若さとは、大人からみると愚かさなのです。だから若者はコロナ禍のなかでも渋谷に出て「タピオカを買いに来た」なんてのんきなことを言えるのです。

それでも、親の仕事は見守ること。自分の人生は、自分できりひらくしかありません。子どもにそれを自覚させるには、「親が自分の人生に責任を持ってくれる」とは思わせないことが重要です。いい年をして箸の上げ下げまで親が口を出し、「だからあなたはダメなのよ」なんて言ってしまうと、「本当に自分はダメな人間なんだ」と思ってしまう。暗示になるのです。干渉のしすぎは、子どもの才能をつぶしてしまいかねません。

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※この記事は『ほほえんで生きるための人生相談』美輪明宏著(朝日新聞出版刊)の内容をウェブ記事用に再構成したものです。

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