記事ランキング マンガ 連載・特集

「偲ぶ会」はワンパターンで、私の時はもういい——林真理子さんが考える“送られ方”の本音

公開日

更新日

林真理子

「80代になるとたいていボケるか死ぬ」——思わず二度見してしまうようなタイトルの本が、いま話題です。著者は、作家の林真理子さん。刺激的な言葉の裏側にあるのは、70代をどう生きるかという、実に現実的な思いです。『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』(幻冬舎刊)から抜粋して、林さんの本音をご紹介します。第5回は、林さんが今考える死後のこと。

自分の葬儀について楽しく考える

まだまだおし迫っていないから、わりと明るく考える自分の死後のこと。

若い頃はブランド癖が抜けなかった。
「青山葬儀所でやってもらって、青山霊園に埋めてもらいたい」
と本気で考えていたが、今は全くそんなことはない。

心境の変化が訪れたのは、今まで多くの葬儀に行ったからだ。どんな有名人でも、どんなえらい人でも死んでしまえばおしまい。みんな次第に忘れていく、ということを知ったからに違いない。「偲ぶ会」も最近はワンパターンになっているから、私の時はもういい、という感じ。

今までさんざん自分のことを書いてきたから、病気になっても闘病記なんか書かない。何年か先みんなが私のことを忘れかけた頃、突然死亡記事が出る、というのが理想である。

それにしても思い出すのは、故・瀬戸内寂聴先生のことである。晩年、
「マリコさん、私のことを書きなさいよ」
と突然おっしゃった。正直あまり気が進まなかった。

「先生はご自分のこと、とことん書いてらっしゃるじゃないですか。もう私の書く余地はありません」

そうしたら先生は、
「いや、いや、私がまだ喋っていないことはあるのよ」
と意味深なことをおっしゃったので、その場にいた女性誌の編集者たちは喜んで、
「じゃ、うちでさっそく連載を」
ということになったのであるが、先生はその後体調を崩され、あわただしく入院、ご逝去された。そして先生の死後、老いてからの恋愛のことが本になり世間を驚かせた。先生のおっしゃった、
「まだ話してないことがある」
というのはこういうことだったのかと思うが、まあ人間、自分が死んだ後もいろいろなことが起こるものだ。

私は「死後の世界」を唱える人たちに聞いてみたい。もしそれがあるなら、私たちは死んだ後も、トラブルや秘密が暴かれるのをどこからか見ることになるワケ? 

そんなのは絶対にイヤ。

死んだら完全な無になりたい。だから何もしなくて結構です、ということを今から明るく言い遺したい。

▼あわせて読みたい▼

>>仲のいい友達が「もう顔も見たくない」仲に!?林真理子さんが振り返る旅の失敗 >>70代の自慢話は「テクニック」がいる。林真理子さんがすすめる“オチのある”話し方とは >>買い物は“このために働いている”と言える喜び。林真理子さんが手放さない70代の楽しみとは

※この記事は『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』林真理子著(幻冬舎刊)の内容を、ウェブ記事用に再構成したものです。

80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間

林真理子著
幻冬舎刊

72歳の人気作家が本音で語る「健康」「おしゃれ」「仕事」「お金」「人間関係」「趣味」。確実に近づく「その日」を見つめ、今の1分1秒を楽しんで生きるための、痛快・人生論。

※詳細は以下のボタンへ

60代読者モデルおすすめのリンクルクリームとは?

60代読者モデルおすすめのリンクルクリームとは?PR

詳細はこちら
画面トップへ移動