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朝ドラ【風、薫る】転生?継承?そんな雰囲気を漂わせた、まさかのラストシーン

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田幸和歌子

偉人的雰囲気というよりは……

そんなりんは、シマケン(佐野晶哉)に勧められた通り、本を書くことを決意、それは包帯の巻き方や伝染病患者の看護など多岐にわたる実用書である。これまで学んできたことをすべて詰め込んだような一冊だ。これからの看護婦を目指す女性たち、病院へ通えない人たちが、頁をめくることで学びとなり、看護の手助けとなることができる。これもまた「道標」となる存在だ。

出版記念パーティには多江(生田絵梨花)が駆けつける。多江はいまや帝国医大病院の婦長である。多江もまた、りんや直美と別の場所、別の立場から看護婦の未来への道標を着実に築き上げ、給金の底上げなども実施するなど、やはり道標として役割を果たし続けてきた。

朝ドラ【風、薫る】転生?継承?そんな雰囲気を漂わせた、まさかのラストシーン(画像6)

「風、薫る」第130回より(C)NHK

朝ドラ【風、薫る】転生?継承?そんな雰囲気を漂わせた、まさかのラストシーン(画像7)

「風、薫る」第130回より(C)NHK

作中ことあるごとに登場した女性の人生を表す双六にも「看護婦」が駒の一つとして加わり、「一家団欒」がゴールに示されるようにもなった。「奥様」ばかりが最良の上がりではない。選択肢というものを女性が獲得したこともまた、りんや直美が駆け抜けてきた時代の大きな一歩だったのではないだろうか。

その作品タイトルの通り、風が吹くごとに物語は大きく動いてきた。そんな風の精のように、直美やりんの前に突如として現れ言葉を

「ふたりが起こした風は、この先遠くまで吹き続けるよ」
そんな言葉を残し、いつの間にか真風は姿を消していた。りんと直美が歩んできたことで起こされた風は、吹き続ける。それが冒頭に記した、現在の医療現場のラストシーンにつながってくる。

この作品は、「明治のナイチンゲール」とも呼ばれ、日本初のトレインドナースとして活躍した二人の人生をもとに紡がれたものである。日本の看護、医療の歴史の中でも重要な役割を果たしたといっていい二人の物語でありながら、そのような偉人的雰囲気というよりはある意味「普通」に近い、つまずいたりうまくいかなかったりする等身大に近い描かれ方をしてきたように見え、二人のキャラクター通り「寄り添って」くれるような存在だったことが印象に残った。

二人が切り開いた道は、「今そこにあるもの」をその後の時代ごとに重ね続け、必要なときにやはり風が吹き、それを感じた人たちが続き、現在我々が生きる時代へと繋がり続けてきたのだろう。風は、いつまでも吹き続けている。

朝ドラ【風、薫る】転生?継承?そんな雰囲気を漂わせた、まさかのラストシーン(画像8)

「風、薫る」第130回より(C)NHK

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