「50代では絶対にしないで」ファイナンシャルプランナーが解説する老後資金の貯め方
世代別にお金の貯め方・使い方に関して抱きがちな疑問をファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんにお聞きしました。介護離職、持ち家の未整理など、老後ならではの心配事についても解説。どれも選択を間違うと未来に影を落とす結果になりかねないので慎重に。
▼老後資金問題こちらもぜひ▼
【50代、60代、70代】年代別にチェックしておきたい老後資金の準備リスト
50代の求人とは?
Q 求人のリサーチ法は?
A 知人や仕事関係の人への声かけも意外に効果あり
キャリアを生かせる仕事を探すなら、求人サイトで情報収集を。知人や仕事関係の人などに話しておくと、声がかかることも。副業できる会社なら、隙間時間に働きスキルを磨いておくのも手。
主婦の経験が生かせる介護職や家事代行サービス、保育分野などは、求人サイトや自治体のファミリー・サポート・センターなどでチェック。
50代の介護のNG行動は?
コレはやらないで!「介護離職」
50代は、親の介護が現実味を帯びてくる時期。でも、介護離職は絶対にしないこと。介護が長引くほど生活が苦しくなり、親子共倒れになりかねません。
親が元気なうちに希望を聞き、兄弟姉妹とも介護の役割分担を話し合っておきましょう。親の年金額や資産も聞いておき、親のお金で受けられる介護サービスの種類や入居できる施設を調べておくことも重要です。
60代前半の退職金の使い方は?
Q 退職金は投資したほうがいい?
A 大金を投資するのはNG。やるなら積み立てを
退職金が入ると、金融機関からさまざまな投資商品をすすめられます。でも一度に大金を投資して失敗し、老後資金が半減してしまう人も。安易に話に乗るのは禁物。
投資するなら、後期高齢期まで使わないお金で「つみたてNISA」に少額ずつ投資しましょう。長く運用するほどリスクが分散され、増やせる可能性が高まります。
60代前半のNGな暮らし方は?
コレはやらないで! 「現役並みの消費生活」
60代前半は、働いていても現役時代より収入が減るのが一般的。でも、働いている安心感から、現役時代と同じ感覚でお金を使ってしまう人が多いようです。
大事な老後資金を減らさないために、60歳の退職時に意識して気持ちを切り替えましょう。年金額に合わせて生活費の予算を立て、徐々に赤字を減らしておくと年金生活への不安も解消されます。
60代後半の年金受給の時期は?
Q 年金受給はどれくらい繰り下げる?
A 70歳まで繰り下げるのが最も現実的
年金の受給は75歳まで繰り下げられ、受給額も84%まで増やせますが、75歳受給開始の人が70歳受給開始の人の受給総額を超えるのは91歳以降。平均寿命から考えると、70歳までの繰り下げが得策でしょう。
妻の年金が少ない場合、70歳までは夫の年金や夫婦の収入で暮らし、妻は70歳からの受給として年金額を増やしておくと安心です。
60代後半の持ち家のNG行動は?
コレはやらないで! 「持ち家の未整理」
長年住んだ家には、想像以上にモノがたくさん蓄積しています。
私の場合も、引っ越しで処分した荷物は4トントラック3台分にも! 未整理のままにしていたら、子どもたちに大変な苦労と費用の負担もかけたと思います。
将来有料老人ホームに入るときは、ひとり用30~35㎡の部屋に入る荷物しか持っていけません。今から少しずつ不要なものを処分していきましょう。