これからの時間を困らずに生きていくための【お金講座】
「特別養護老人ホーム(特養)なのに費用が高い」その理由とは?代替案も
資産に含まれるものと含まれないもの
資産基準の資産に含まれるのは、現金(タンス預金含む)、預金、有価証券など。有価証券には株式や投資信託の他、国債や地方債なども含まれます。金(きん)のように資産価値を把握しやすいものもカウントされます。一方、生命保険については、貯蓄性のあるものであっても、資産には含まれません。
重要なポイントとして、特養は要介護3以上でないと、原則として入所申請ができません。要介護1や2で特養に入所できるのは、緊急性が高いなど、自治体が特例として認めたケースに限られます。そのため、要介護1や2のときに施設で介護を受けたいなら、介護付有料老人ホームや介護型ケアハウスへの入居を検討するのが現実的です。とはいえ、介護付有料老人ホームは、利用料が特養よりも高くなりがちで、毎月の赤字が多いと、老後資金が底を突く心配も出てきます。
そこで検討したいのが、介護型ケアハウスです。介護型ケアハウスは、軽費老人ホームのC型であるケアハウスの中で、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設です。特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設では、特養や介護付有料老人ホームと同じように、24時間365日の介護が一定料金で受けられます。費用についても、10万円台前半ですむ施設もあります。ただ問題なのは、介護型ケアハウスの数がものすごく少ないこと。自立型のケアハウスと比べると、4分の1〜5分の1程度しかありません。また、広告・宣伝をしていないので、探すのも大変です。
費用を抑えつつ良質な介護を受けたいなら、自分で見学ができるうちに積極的に施設を訪問し、自分で支払える額で入居できそうな施設の目星をつけておくことが欠かせないと思います。
●法制度などは、2021年8月末現在のものです。
※この記事は「ゆうゆう」2021年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
※この記事は2024年7月25日に文章構成を変更しました。
ファイナンシャル・プランナー
畠中雅子
ファイナンシャルプランナー(CFP®️)。新聞、雑誌、ウエブなどに多数の連載、レギュラー執筆を持つ。セミナー講師、講演、相談業務、金融機関へのアドバイス業務なども行っている。高齢者施設への住み替え資金アドバイスをする「高齢期のお金を考える会」や、ひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)、『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)、『病気にかかるお金がわかる本』(主婦の友社・共著)など、著書、監修書は70冊を超える。
ファイナンシャルプランナー(CFP®️)。新聞、雑誌、ウエブなどに多数の連載、レギュラー執筆を持つ。セミナー講師、講演、相談業務、金融機関へのアドバイス業務なども行っている。高齢者施設への住み替え資金アドバイスをする「高齢期のお金を考える会」や、ひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)、『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)、『病気にかかるお金がわかる本』(主婦の友社・共著)など、著書、監修書は70冊を超える。