記事ランキング マンガ 連載・特集

初心者も楽しめる【ベランダ菜園】。ベランダで野菜を育てるなら寄せ植えがおすすめ! 

公開日

更新日

ゆうゆう編集部

 初心者も楽しめる【ベランダ菜園】。ベランダで野菜を育てるなら寄せ植えがおすすめ! 

たなかさん宅のベランダ。奥行き1.2mしかないため棚などを置いて立体栽培に。緑豊かなベランダは、リビングからの眺めもよし!

育てる楽しみと収穫の喜びが味わえる家庭菜園は、始めるなら今がベストシーズン。「寄せ植えこそエコでサステナブル、初心者におすすめ」と話すのは、ガーデニングクリエイターのたなかやすこさん。野菜育てのコツをお聞きしました。

多種の植物と微生物の相乗効果で野菜が元気に

「ベランダでのコンテナ栽培を成功させる秘訣は、多種の植物を寄せ植えすること」とベランダ菜園の達人であるたなかやすこさん。たとえばトマトとバジルを一緒に。

「植物の生長にはチッ素リン酸やカリウムなど土に含まれる栄養素が必須です。ただし、すべてが満遍なく使われるわけではありません。トマトは実をつけるのに多くのリン酸を消費しますがチッ素の使用量は少ない。そこでチッ素を多く使うバジルと寄せ植えにすると、土中の栄養バランスが整い、養分に偏りのない健康的な土になります。すると病気になりにくく、長く使えるサステナブルな土になるというわけです」

しかも寄せ植えにすることで虫がつきにくくなるという。

「たとえば、バジルの香りに誘われて卵を産みに来る蝶も、トマトの葉の香りにカムフラージュされたバジルに気づかず、スルーしてしまうんです。また、寄せ植えにすることで土の中では、根と共生する微生物に多様性が生まれます。微生物が養分を分解した土は植物の根がよく育ち、結果、地上部の茎や葉、花、実もよく育つ。小さなコンテナの中の環境を自然のバランスに近づけることで植物は元気に、土は何年も繰り返し使える土になるのです」

春に植えて夏に楽しめる野菜図鑑

「日ごと暖かくなり、夜の冷えもゆるむ春はベランダ菜園によいシーズン。早速、夏野菜の寄せ植えをしませんか」とたなかさん。ここでは初心者でも育てやすい夏野菜とハーブを紹介します。

トマト

「茎や葉や果実の表面に生えた産毛が、空気中の水分も吸収するトマトは生命力の強い野菜です。スペースに限りがあるコンテナ栽培ではミニトマトがいいですよ」。寄せ植えにおすすめなのはバジルやシソなど。

ピーマン

植えつけから実がつくまで2カ月ほどかかりますが、晩秋まで収穫できます」。寄せ植えにおすすめなのはニラ、シソ、タイムなど。ただし、ピーマンの仲間のパプリカは、実がつくまでさらに時間がかかるためコンテナ栽培には不向きと心得て。

ナス

「ナスには多くの肥料と水が必要です。スペースにも肥料にも限りがあるコンテナ栽培では、実が大きくなる種は不向き。大きくならない小ナスをどうぞ」。寄せ植えにはニラ、シソ、タイム、クローバーなどが◎。

オクラ

アフリカ原産で高温を好むオクラは夏のベランダ菜園に最適。「かたいタネは一晩水につけてやわらかくしてからコンテナに直まきして」。寄せ植えはタイムやオレガノ、マジュラム、サツマイモなどと。

インゲン

日当たりがよければ手間いらずで元気に育つインゲン。「"つるなし"と"つるあり"があり、ベランダではコンパクトに栽培できる"つるなし"がおすすめ」。寄せ植えにいいのはイタリアンパセリ、ルッコラ、ペチュニアなど。

キュウリ

「4月中旬〜5月末に植えると6月半ばから収穫が楽しめます。小さな実はピクルスにしてもおいしい。夏のグリーンカーテン風に育てるのもいいですね」。寄せ植えはネギ、ニラ、ナスタチウムなどと。

バジル

植えつけて1週間で収穫できます」。スイートバジルは葉がやわらかくて料理に使いやすく、紫色のダークオパールバジルは虫よけに効果が。寄せ植えにおすすめなのはトマト、ナス、シシトウ、トウガラシなど。

次回は、寄せ植えの具体的なやり方をご紹介します。

PROFILE
たなかやすこさん●イラストレーター、ガーデニングクリエイター
時計メーカー勤務を経て、イラストレーターに。同時に野菜作りを始める。コンテナをメインとした家庭菜園歴30年の実績を生かし、ガーデニングクリエイターとして市民講座やワークショップを開催。雑誌やテレビなどでもベランダ菜園の方法を伝授。著書に『ベランダ寄せ植え菜園』(誠文堂新光社)など。

※この記事は「ゆうゆう」2023年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

ゆうゆう2023年05月号

「部屋の中が散らかっている人は、心の中も散らかっている」。これは案外本当のことかもしれません。揺れ動く心のように、片づけたそばから部屋の中が散らかる方、今月の『ゆうゆう』5月号の特集は必見です。すぐに散らかるのはなぜ? 家族が散らかすから? 捨てるのが苦手だから? 買うことが好きだから? 「散らかる理由」を徹底解明しました。そして、リバウンドしない、あなたの家にぴったりな収納法を紹介。心を整えるには、まず部屋の中から。いつもすっきりした部屋を保てれば、心もすっきり片付くはず。キッチンから、クローゼットから、引き出し一つからでもOK、すっきり生活を始めませんか。

詳細はこちら

植えつけとは、苗や苗木、球根などを土に植える作業のことを指します。適切な時期や深さを守ることで植物の発芽や発根が促され、順調な生育につながります。植物ごとに適した用土が望ましく、植えたあとはしっかり水やりをして根づかせることが大切です。植物の種類によって用土の種類や肥料の施し方が異なるため、事前に育て方を確認しておくと安心です。

詳細を見る

寄せ植えとは、複数の植物を1つの鉢やプランターにまとめて植えることです。花の色や形、高さのバランスを考えることで、美しいアレンジが楽しめます。同じ環境を好む植物同士を組み合わせるのがコツです。季節ごとに植え替えれば、年間を通じて楽しめる人気のスタイルです。

詳細を見る

直まきとは、タネをポットなどで育苗せず、直接花壇や畑にまく方法です。​移植を嫌う植物に適しており、間引きを行いながら育てます。 ​

詳細を見る

リン酸は、植物の生長に欠かせない重要な三大栄養素の一つであり、肥料成分として広く使われています。特に根の発育や花・実の生長を促進し、作物の収穫を助ける効果があります。リン酸は骨粉や天然鉱石から得られる他、化学的に加工されたリン酸肥料としても利用されます。家庭菜園やガーデニングでは、元肥や追肥として適切に与えることで、植物が健やかに育ちやすくなります。ただし、過剰な施肥は土壌のバランスを崩す原因となるため、適量を守ることが大切です。

詳細を見る

チッ素は、リン酸やカリなどとともに植物の生育に欠かせない主要な栄養素の一つで、特に葉や茎の生長を促進する役割を持ちます。ガーデニングで使用する肥料には、チッ素が含まれるものが多く、緑を濃く育てたい際に重宝されます。一方、多すぎると徒長現象を引き起こしたり、茎葉ばかりが茂って花が咲きにくくなったりするため、施肥量やタイミングを注意深く調整することが重要です。

詳細を見る

肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

詳細を見る

果実とは、花が受粉・受精した後に子房などの部分が変化してできる構造で、植物が種子を守りながら分布させるための重要な器官です。トマトやリンゴのように肉厚で食用になる果実もあれば、タンポポのように乾燥して風に乗るものなど、形や機能は多岐にわたります。果実の成熟過程や構造の違いは植物の分類学においても重要な手がかりとされています。

詳細を見る
画面トップへ移動