【七五三】のしきたりと最近の傾向は? 孫の誕生から卒業・就職祝いまで、50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識
孫の初誕生から節目節目に、無事な成長を祝う行事が続きます。祖母としてはどう振る舞えばいいのでしょう。現代礼法研究所主宰の岩下宣子さんは、しきたりを知りつつ、暮らしにあった方法でお祝いすればいいとおっしゃいます。行事の意味と、お祝いの最近の傾向について教えてもらいましょう。
誕生からお食い初めまでの3カ月と少しは、出産の喜びに続き、次々とお祝いが行われて、あっという間にすぎていきます。まずは、お宮参りと、お食い初めについて、祖父母の役割を見てみましょう。
お宮参り
赤ちゃんを連れて、初めて神社にお参りします。生まれた土地の守神「産土神(うぶすながみ)」でおはらいを受け、祝詞をあげてもらいます。
生後1カ月ごろに行うのが一般的ですが、赤ちゃんの体調を優先し、しきたりの日の前後の休日に参詣するのが、現在主流の方法です。
正式には、祝い着を母親の実家が贈り、双方の両親がつき添い、父方の祖母が赤ちゃんを抱きます。しかし、最近は、パパとママ、赤ちゃんだけでお参りするケースもふえています。
お食い初め
お食い初めとは、わが子が一生食べ物に困らないようにと願い、初めて箸を使って食べさせる儀式で、生後100日目ごろに行われるのが一般的です。
正式には、家紋入りの漆器膳を母方の実家から贈るのがしきたりです。そして、祖父母などの年長者が「養い親」となって赤ちゃんを膝に抱き、箸で赤ちゃんに料理を食べさせるまねをしてお祝いをします。
さて、行事はお食い初めでひと区切り。あとは、初節句、初誕生と内輪のお祝いが続き、その後は七五三や入園入学と年単位になっていきます。孫の節目にお祝いをしたい気持ちは自然なこと。できる範囲でお祝いを贈ったり、お祝いの会を催せばいいでしょう。
初節句
初めて迎えるお節句で、女の子は3月3日の桃の節句にひな人形を飾り、男の子は5月5日の端午の節句にこいのぼりを立て、武者人形(五月人形)などを飾ります。
ひな人形や武者人形は、本来は母方の実家から贈るのが習わしですが、現代は双方の祖父母で贈ることも多いようです。孫家族のスペースの問題もあるので、事前によく相談しましょう。
豪華な節句飾りを贈らない場合は、その分の現金を贈ることもあります。
当日は家族や祖父母で集まり、桃の節句ならひし餅やひなあられ、はまぐりの吸い物、白酒、ちらしずしなど、端午の節句ならちまき、柏餅など、節句にちなんだ料理を用意し、お祝いすることが多いようです。
初誕生
満1歳の誕生祝いです。初誕生の日は「一生食べ物に不自由しないように」あるいは「力持ちに」との願いを込めて語呂よく「一升」の餅米で「誕生餅」をつきます。
一般的には「寿」「祝」などの文字や子どもの名前を書いた一升餅を、ふろしきに包むなどして子どもに背負わせます。一升、約2kgほどの重さがある餅を背負わせて「一生の重みを感じさせる」といわれています。
家族や祖父母で集まり、食事をともにして祝うことが多いようです。