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【親の介護】が始まる前にやっておくべきことは? 初心者のためのQ&A

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ゆうゆう編集部

Q 親が入院。退院後は介護が必要になりそう。どこに相談したらいいですか?

突然のケガや病気で介護が必要になった場合、親子ともに要介護認定や介護サービスについての知識がないと、どう対処したらいいのか途方に暮れることも。

「医師や看護師は医療についての相談のみで、『退院後のことは家族で考えて』と言われ困ってしまった方のお話を伺うことがあります。多くの病院にはMSW(医療ソーシャルワーカー)がいて、退院後の生活、介護保険のこと、心理的な問題、経済的なことなどについて相談に乗ってくれます。MSWがいるかどうか、まずは病院に聞いてみてください。MSWなどの相談員がいなければ、親の住民票がある地域の『地域包括支援センター』に相談しましょう。市区町村の福祉窓口でもいいのですが、医療福祉の専門職が対応する、地域包括支援センターがおすすめです」

退院後、介護保険によるサービスを受けるためには要介護認定が必要となる。要介護認定の申請から判定が出るまでは約30日かかるので、MSWや担当医に相談のうえ、治療後、容体が安定してからなど、時機を見て申請をしよう。

一般病棟から地域包括ケア病棟に移り、在宅復帰支援を行う病院もある。要介護認定のことは地域包括支援センターでも相談、申請ができる。

Q 地域包括支援センターとは、どういうところですか?

「地域包括支援センターは、介護、介護予防、医療、日常生活支援など、高齢者に関わる困りごとの総合相談所。センターへの相談は、介護のファーストステップと考えてください」

地域包括支援センターは市区町村が主体となって設置。対象地域に住む65歳以上の高齢者やその家族などが無料で相談できる。保健師(看護師)、社会福祉士、主任ケアマネジャー(介護支援相談員)などが相談に乗り、行政機関や医療、介護、福祉他、必要なサービスにつないでくれる。

「要介護認定の有無にかかわらず相談できます。要介護なら居宅介護支援事業所の選び方などもアドバイスしてくれます。要支援の方の介護予防のケアプランの作成は、地域包括支援センターが行います。来訪前に電話で『聞きたいこと』を伝えておくと、手続きに必要なものなども確認できスムーズです。申請に必要となる介護保険被保険者証は日頃から確認しておきましょう」

生活に不安を感じたら地域包括支援センターへ

介護は早い段階からの予防が肝心。足腰が弱ったり買い物が困難になったり、生活に不安を感じたら、要介護度のチェックを。

「地域包括支援センターでは、日常生活の『基本チェックリスト』で心身の機能の衰えをチェックします。その結果、人の手を借りる介護は必要ない(自立)と判定された場合は運動、低栄養、認知機能などの改善に向けた『介護予防・生活支援サービス事業』が利用できます」

※この記事は「ゆうゆう」2023年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

取材・文/田﨑佳子

ゆうゆう2023年11月号

「健康寿命を延ばす食事と暮らし」を大特集。おしゃれなライフスタイルを発信している柏木由紀子さんと、健康長寿のコツは「3つのショク(食・職・触)」という樋口恵子さんにお話を伺いました。さらに、「ポスト更年期」の女性の体とのつき合い方、体と頭を強くする食事術、健康寿命を延ばす歩き方について、専門家がアドバイスをいたします。いつまでも健やかに暮らすためには、正しい知識と日々の積み重ねが何より大事。「そのうち」ではなく、今日から! この特集をお役立てください。

もう一つの注目企画は「やめて、手放して、ラクに生きる!」。これからの日々を軽やかに有意義に過ごすために、手放す極意をお教えします。
お話を伺ったのは、断捨離提唱者のやましたひでこさん、生活評論家の沖 幸子さん、精神科医のTomyさん。Tomyさんはおっしゃいます「本当に大切なもの以外はなくていい。手放せば手放すほど、心はラクになっていく」と。何を手放し、何を残すか。イメージトレーニングしてみるのもいいですね。

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