【シニア向け住宅】将来に備えて今から見学しておきたい施設とは? FP畠中雅子さんがアドバイス[後編]
施設の見学時に確認しておきたいこと
施設を見学するときは遠慮なくスタッフに質問しよう。「こんなことを聞いていいのかな?」などの遠慮は無用。その対応によってどんな施設なのかがわかってくる。
入居一時金の額、初期償却の割合と償却期間
入居一時金の一部は入居後90日を過ぎると初期償却※となる。その割合は15~30%が目安。90日を過ぎて退去する場合、償却期間が終わっていない分は返金される。償却期間は長いほうがいい。
※「初期償却」とは、前払い金のうち、入居期間にかかわらず返金されない金額のこと。
看取りの可否と過去に看取りをした人数
看取りに対応しているかどうかだけでなく、実際に施設で看取った人数も聞いておこう。「看取り可」としつつ、最期は救急搬送している施設も少なくない。訪問診療の医師との連携についても確認を。
1週間の入浴可能回数と時間帯
公的介護保険が適用される入浴は、厚生労働省の基準で週2回以上と定められている。そのため「入浴は週2回のみ」とする施設も。入浴時間帯をスタッフが多い午前中に限定している施設もある。
入居者の平均年齢と男女の割合
自分の年齢や性別と乖離のないほうが暮らしやすい。一般的に新しい施設は70代など若い人が多く、築年数が古い施設は年齢層が高い。夫婦で入居する場合、男性が何割いるかも確認したい。
医療措置についてできること、できないこと
終の住み処にするつもりで介護付の施設に入っても、医療的な措置が必要になると住み替えせざるをえなくなることも。どのような医療措置に対応しているのか、確認しておきたい。
施設内アクティビティの種類や活動状況
アクティビティが多くても、自分の趣味に合っていなければ参加する気になれないものだ。また「こんなことやっています!」とホームページでPRしていても、実際は実施回数が少ない場合もある。
入居者の平均介護度と認知症の人の割合
自立度が高い段階で入居する場合、同じくらいの自立度の人の数を確認しておきたい。認知症の人が多い施設の場合、自立の人とはフロアや棟が分かれているほうがトラブルは起きにくい。
食事の嗜好に合わせてくれるか、どこでお酒が飲めるか
好き嫌いだけでなく、希望するかたさなどに対応してもらえるかも聞いておこう。食堂など共有スペースでの飲酒を不可としている施設は多いが、自室で飲むのはいいかも確認したい。
外出時に利用できる無料シャトルバスの有無
最寄りの銀行や郵便局、スーパーや駅などを回る、シャトルバスを運行している施設もある。市街地から離れている場合、毎回タクシーを呼ぶと出費がかさむので無料バスの有無を確認しておきたい。