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【初めてのNISA】リスクが高い投資のタイミングとは?プロが教える60代以降の運用術

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ゆうゆう編集部

投資で出た利益が非課税になる、「NISA」の人気が上昇中です。気になりながらも、「投資はリスクが怖いし……」と尻込みしがちなゆうゆう世代に、リスクを減らして上手にお金を増やす方法を井戸美枝さんがアドバイス。

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お話を伺ったのは
井戸美枝さん

いど・みえ●井戸美枝事務所代表。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士として相談業務、執筆活動を行い、お金に関わる動きをわかりやすく解説。
2022年、老後を見据えて広い一軒家からコンパクトなマンションに転居した。
『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など、著書多数。

投資していい額を見極めじっくりと育てていこう

若い世代を中心に、NISA(少額投資非課税制度)で投資を行う人が急増している。円安でインフレが進む中、「60代でも、NISAでお金を増やすべき?」「でも、投資はリスクがあって怖いし……」と、迷っているゆうゆう世代は多いだろう。

ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんは、「確かに投資にはリスクがつきものですが、基本を知ったうえで行えば恐れることはありません。NISAは初心者が始めやすいので、これを機に投資を前向きに考えてはどうでしょうか」と提案する。

「たとえば、投資のいちばんの基本は時間をかけて運用すること。不況や戦争などの世界情勢で株価が下落しても、早ければ2~3年、長くても5~10年待てばほぼ回復すると期待できます。言い換えれば、60代から始めても10年以上運用できれば、リスクはかなり軽減できます」

逆にリスクを高くするのは、「退職金が出たから」などと、いきなり大金を投資してしまうやり方。

「投資に回していいのは、最低でも10年は使う予定のないお金です。退職金が出たら1年は普通預金に預けて、まずは使い道を検討しましょう。『3年後にリフォームする』など近々使う予定のお金、病気や介護に備えるお金は、投資ではなく、安全確実な定期預金や個人向け国債にするのが得策です」

いつまで働いて年金はいつから受け取るか、生活費の赤字はどれくらいになるか、夫婦で話し合い、10年分の生活補填資金も確保しておきたい。

「退職金も含めた老後資金から投資に回せるのは、それらを全部取り置いて残ったお金。仮に65歳でNISAを始めるなら、75歳以降に使うお金を10年かけて育てるイメージで考えてください」

個人向け国債の特徴

個人で購入できる国債のこと。「変動10年」「固定3年」などがあり、金利上昇局面の今は、半年ごとに適用金利が見直される「変動10年」がおすすめ。金利は0.57%(下がっても最低金利0.5%が保証され、元本割れはない)。1万円から購入でき、1年たてばいつでも換金可能。「預貯金よりは解約しづらいので、必要な時期までキープしやすい点も◎」

*2024年5月発行分の金利

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