アン ミカさん「同じ境遇の方に頼りすぎてしまっていた」過去の孤独だった時代を告白
輝く笑顔とポジティブな言葉で、いつも私たちに元気を届けてくれるアン ミカさん。「どんな出会いもご縁」と語るアン ミカさんに、大切なご縁を逃さないための心得や孤独を恐れずに生きていくための心構えを教えていただきました。
PROFILE
アン ミカさん・モデル、タレント
あん・みか●1972年韓国生まれ、大阪育ち。
93年パリコレ初参加後、モデル・タレント・歌手・俳優としてバラエティ、ドラマ、映画、舞台、CMなど幅広く活躍。
「野菜ソムリエ」「NARDアロマ・アドバイザー」「漢方養生指導士」「化粧品検定1級」「ジュエリーコーディネーター」など多数の資格を生かし、化粧品、洋服、ジュエリーなどをプロデュース。
韓国観光名誉広報大使、初代大阪観光大使、神都高千穂観光大使、日本化粧品検定協会プレミアムアンバサダー、初代ジュエリーコーディネーターアンバサダーも務める。
孤独を埋めるために人の時間を奪うのは「時間泥棒」
どんなときも明るく前向きなアン ミカさん。孤独とは無縁のイメージだが、過去には孤独を感じて不安に苛まれた経験があるという。
「私は19歳から22歳までパリと日本を行き来していました。モデルの夢を追い、自ら飛び込んで挑戦した場所でしたが、行ってみたら全員がライバル。仲よくなったモデルさんがオーディションに受かり、私は落ちて1分で帰らされる……。友達といっても勝ち負けが存在するという現実に直面しました。そんなとき、異業種ではありますが、同じように日本から渡仏して頑張っている方に頼りすぎてしまったんです」
熾烈な競争の中でうまくいかないことへの焦りやいら立ち、言葉の壁による孤独感。そこから救い出してくれるのは人の温かさだと信じて、つい連日、弱音を吐いてしまった。
「するとその方に『日本から海外に渡って生活している人はみんな孤独にぶち当たる。でも結局は自分で選ぶんだよ。自分が選んだことに責任をもつのが人生だ』と突き放されました。そして『グチにつき合わせて自分の寂しさを埋めることはできるけれど、それは“時間泥棒”だよ』『一生つき合う親友は自分。もっと自分に自信をもって、自分で自分を励まして、自分という人間を好きになっていかないとダメ』と、厳しい言葉をいただいてしまいました」
軽いグチで人の時間を奪ってはいけない、自分が選んだ道には孤独も含まれている-。自分より先に海外に出て辛酸をなめ、孤独も経験したうえで活躍している年上の人からの厳しくも愛ある助言だった。
「だから素直に受け止めることができました。それからは孤独をちゃんと受け入れる努力をしました。自分がいちばんの親友なのだから、自分で自分のお世話をしなきゃという気持ちに。結局、幸せも孤独も自分の心が決めること。それならば自分に幸せな未来をプレゼントするために自分を磨きたいと思い、香りや音楽、色など、五感を満たす自分探しもしたりして。留学中の9割はつらい時間だったけれど、1割の宝物の時間があったおかげで今の自分があると思っています」