アン ミカさん「同じ境遇の方に頼りすぎてしまっていた」過去の孤独だった時代を告白
一期一会は奇跡。ご縁に感謝して大切に
アン ミカさんの著書やSNSなどには「ご縁」という言葉が幾度も出てくる。人とのご縁を大切にすることが、「孤独を感じることはない」という今につながっているようだ。
「人と出会うといつも思うんです。『この一期一会は奇跡やな』って。韓国人の私が大阪で育ち、東京に出てきて、たまたま一緒にお仕事をして、意気投合して連絡先を交換して、お互い忙しい中でスケジュールを合わせて食事に行って……そうすると『あ、ご縁をいただいているな』と実感します。そして、私は時間=命だと思っているんです。だって時間の経過は命を削っていることと同じでしょう。友達に対しても『私、この人たちに時間=命をもらってんねや』と思うからこそ、そのご縁に感謝して大切にしています」
そして、ご縁を生かすために大事にしているのが「おめでとう」と「ありがとう」の2つの言葉。
「『おめでとう』『ありがとう』は、どんな人とでも仲よくなれる魔法の言葉。お誕生日に『おめでとう』と言われて嫌な気持ちになる人はいませんよね。そして『おめでとう』と言われたら『ありがとう』と返す。ポジティブな言葉がぐるぐる回って、まぁるい空気の人間関係ができていくんです。ご縁が切れることなくつながって、孤独になりません」
とはいえ、よいご縁なら大切にしたいと思うが、なかにはそうではないご縁もあるはずだ。
「もちろんうれしくないご縁もいっぱいありましたけど(笑)、それをどうとらえるかが大事なんじゃないかな。その人と出会ったことで反面教師として学ぶことがあるかもしれないから、私は必要じゃないご縁なんてないと思っています」
大切な家族、そして夫
心の声に耳を傾けて後悔しない選択を
孤独にはなりたくないけれど、自分ひとりの時間も大事と考える人は多いはず。アン ミカさんはどのように考えているのだろうか。
「孤独とおひとりさま上手は紙一重。私はひとりでカラオケに5時間行くんです。ひとりだと同じ曲を10回歌えるから最高なの(笑)。だからといって、ひとり時間だけを大切にしているわけではなく、誘われたら自分の心の声に耳を傾けます。たとえば、ひとりで自分メンテナンスをしたあとに大人数の食事会に誘われた場合、私の選択は『30分だけ顔を出すね』。なぜなら最後までおつき合いすると、『せっかく自分メンテナンスしたのに、これじゃ明日は顔がむくんじゃうかも。行かなきゃよかった』と後悔するかもしれないし、断ったあとにインスタで楽しそうな写真を見たら、『行けばよかった』と孤独を覚えるかもしれない。30分だけでも参加して、『みんなに会えて楽しかった、新しいご縁もできてハッピー♪』なら自分の選択を後悔せずにすむし、孤独感を抱くこともありません」
そのポジティブ思考はぜひ見習いたいところだが、アン ミカさんのようにいつも前向きではいられないかもしれない。孤独を感じて眠れないときはどうしたら?
「考えるのをやめて、と言っても難しいですよね。でも夜はあかん(笑)。夜は思考が内へ内へと入っていく時間だから。どうしても眠れないとき、私は自分の悩みを書き出します。まず現状と悩みを書き、なぜその悩みを解消したいのかという目的を書きます。そして、解消できない原因や心当たり、その悩みが解消されたらどんな喜びがあるか、自分の味方になってくれるもの、この感情から抜け出す計画を書いて、置いておくんです。それを翌朝見返すと、笑っちゃうくらいネガティブなの。でも、これで自分が陥りやすい思考パターンがわかるようになる。『ここにハマらないように気をつけなきゃ』と、自分への戒めにしています」
そして最後に「これが大事なんだけれど」と、言葉を継いだ。
「私たちは今を生きています。今をどう生きるかが未来へのプレゼントになるのに、『この先、孤独になったらどうしよう』と未来を憂いて今をおろそかにするのはすごくもったいないこと。未来に孤独になりたくなかったら、今からでも習い事に挑戦したり、友達をつくったり、孤独にならない計画を立てればいい。それが今、未来に向けて準備できることだから」