【中学・高校受験】関西トップレベルの進学校が、30年前には不登校、ケンカ、迷惑行為が日常茶飯事だった!?
奈良県にある私立中高一貫校「西大和学園」。今や、東大、京大合格者数で全国トップレベルの進学校ですが、わずか30年前までは無名私立高校でした。西大和学園はいかにして共学トップ進学校になったのか? 創設者であり、学園の会長である田野瀬良太郎さんの書籍『なぜ田舎の無名高校が東大、京大合格トップ進学校になれたのか 西大和学園の躍進』より一部を抜粋し、学園の歩みをご紹介します。【全4回の1回目】
西大和学園が、なぜここまで右肩上がりで進学実績を伸ばせたのか?
「開校当初は田舎の無名私立校。大半が公立高校の教員採用試験に落ちた教師と、公立高校の受験に失敗した生徒たち。平凡なすべり止め高校だったんですよ」
私が思い出話をすると、たいがいの方は目を丸くします。
「西大和って、進学校のあの西大和学園ですか?」
「きっと大げさに言っているんでしょう? だって、あの西大和がそんな」
にわかには信じていただけません。こうした方々の言う「あの西大和」の「あの」とは、現在の西大和学園中学校・高等学校に対する評価、特に大学への進学実績や中学・高校入試の偏差値を、おそらく指しているのでしょう。
東大、京大以外にも優秀な難関大学はたくさんありますが、両大学の合格者数を、ひとつのバロメーターとして使わせていただくのであれば、2023年の全国ランキング1位に開成(東京・創立153年)、2位に灘(兵庫・同97年)が入ってきて、西大和学園は全国3位。他の超名門校には全国的な知名度こそまだ及びませんが、ここ3年は全国トップ3を争う位置をキープしています。
西大和学園はとても“若い学校”です。
おかげさまで、関西圏では、すでに進学校としてある程度、認知していただけるようになりました。ですが、全国での知名度はまだまだありません。東京で仕事をしていると、「灘や東大寺は知っているけど、西大和なんて聞いたことないです」という方ばかり。
まだまだ全国区に知名度がない理由、それは、西大和学園の成長があまりにも急速であったためだと思います。
この急成長ぶりは「異例中の異例」とも「奇跡」とも言われ、なかには「表には出せない“マジック”でも使ったのだろう」といぶかる声も上がったほどです。
いわく
「進学塾から優秀な生徒を強引な方法で迎え入れたのではないか」
「名門進学校から、受験のスペシャリストのような教員を引き抜いたのではないか」
とてもそんな知恵はありませんでした。
公立中堅校のすべり止めからスタートした西大和学園が、なぜここまで右肩上がりで進学実績を伸ばせたのか? そこに「奇跡」や「マジック」は果たしてあったのか?
その答えをみなさんに見つけていただくべく、時計の針を開校初年度の1986年まで巻き戻してみたいと思います。