【池上彰の未来予測】「南海トラフ地震」2024年までに起きたら経済活動はどうなる?
2024年までに起きる可能性が高いと言われている「南海トラフ地震」。地震が起きた場合、経済活動はどうなるのでしょう? ジャーナリスト・池上彰さんの書籍『池上彰の未来予測 After 2040』より一部を抜粋し、お届けします。
▼こちらもおすすめ▼【池上彰】が「年金は絶対にもらえる」と断言する理由とは? 本来の年金の意味合いも解説
2024年までに「南海トラフ地震」「首都直下地震」「富士山の噴火」が発生する
日本で生活する以上、避けられないのが地震です。日本は地震多発国であり、世界で起きているマグニチュード6以上の地震の約2割が日本で起きています。
日本に安全な場所はありません。たとえば阪神・淡路大震災では被害が少なかった京都も、平安時代から頻繁に大きな地震が起きていたことがわかっています。京都に竹林が多いのは、地震対策として地盤を固めるために、根を張る竹を植えて地崩れを抑えようとしたからです。
2040年までの間に起きる可能性が高いといわれているのが、「南海トラフ地震」「首都直下地震」「富士山の噴火」です。
南海トラフ地震はそもそも、東海地震(静岡沖)、東南海地震(名古屋沖)、南海地震(四国沖)という3つの地震として警戒されていました。そしてたとえば東海地震が起きると、1年から数年以内に東南海地震や南海地震が連動して起きるといわれていました。
しかし2011年の東日本大震災は、3つもの震源断層が連動して破壊されていくことで起きました。3月11日午後2時46分の地震発生時は、宮城県沖で1分半ほどの破壊が続き、その1分後にやや南側の領域が1分半破壊され、さらにその南側も破壊が始まり、結局地震発生から計6分間、3つの領域が連動して破壊され続けていたことがわかっています。このため地震全体のエネルギーが巨大になりました。
宮城県沖で地震が起きた結果、他の2つの震源域も連動して、東日本大震災という想定外の災害が起きたのです。
専門家たちは、「宮城県沖地震は必ず起きる」とは考えていましたが、東北地方でこれほど大規模に連動した地震が起きるとは考えていませんでした。3回の巨大地震が連続して起きるということは、世界的にもきわめてまれなことだといいます。
▼こちらもおすすめ▼
>>【池上彰の未来予測】値上がりした電気代、家計の負担を減らすために今できることとは?