記事ランキング マンガ 連載・特集

【秋のガーデニング】小花がいっぱいに咲く「宿根アスター」(多年草)とは?

公開日

更新日

光武俊子

クジャクアスターやミカエルマスデージーなどと呼ばれ、ノコンギクやシオンなども仲間になる宿根アスター。よく分枝する茎に無数の小花を咲かせるアスター(シオン)属の多年草です。多くの原種と園芸品種があって、秋の庭やベランダでボリューム満点に咲き誇る花々を紹介しましょう。

▼こちらもどうぞ▼【秋のガーデニング】植えっぱなしで来年も楽しめる多年草8選 1鉢でナチュラルな雰囲気に!

寂しくなりがちな秋の庭にぴったり

空が高くなり、秋風が心地よい季節になって、ガーデニングにも力を入れたいところです。でも、あと1カ月もすれば秋植えの球根やらパンジー&ビオラの植えつけ時期で、なんだか中途半端な気分ではありませんか。庭の空きスペースや空っぽの鉢をどうしましょう。

こんなときに素晴らしいボリュームで庭を彩ってくれるのが、宿根アスターです。草丈60~120㎝と大きめに育ち、たくさんの小花を開花。ふんわり広がる株はやさしくナチュラルな雰囲気です。チョウたちもよく集まります。

花色も白のシロクジャクをはじめ、ピンクや淡いパープル、ブルー系と多彩。キク科ならではの、花弁のような舌状花(ぜつじょうか)と花芯に見える筒状花(つつじょうか)のコンビネーションも美しいものです。そして、とても多くの原種と園芸品種が選び放題! お気に入りをみつけましょう。

花の少ない9月下旬から10月に咲き誇る

アスター属は北アメリカを中心に、南アメリカやアジア、ヨーロッパやアフリカなどに、250~500種もの仲間が分布します。日本にもシオンやノコンギクなどが自生して、里山や高原の秋を彩る「野菊」として親しまれてきました。

日本では宿根アスターをクジャクアスターと呼ぶことが多いですが、欧米ではミカエルマスデージーと呼びます。これはキリスト教の大天使ミカエルのお祭り「ミカエル祭」が催される9月下旬に、花が盛りを迎えるため。咲く花がちょっと少ない時期に、華やぎをもたらしてくれる花です。

ミカエルマスデージーとおもに呼ばれるのはアスター・トランデスカンチー。草丈50~150㎝でピンク、青、紫、白などの小花を密集して咲かせます。ニューヨークアスターと呼ばれるアスター・ノバエンギレアは120~180㎝と草丈が高く、花も大きめです。草丈15〜30cmと小型のアスター・アルペスはロックガーデンなどにぴったり。

やや大型でよく分枝する茎に無数の小花を咲かせるトラデスカンチーなどは、年々大株に育ってボリュームたっぷりで目立ちます。

▼こちらもどうぞ▼
【ガーデニング】秋の草花とかぼちゃを組み合わせてハロウィンのディスプレイ

ロックガーデンとは、自然の岩石や小石を用いて山地や荒野の風景を再現した庭園スタイルです。起伏を生かし、耐乾性のある植物や多年草、多肉植物を組み合わせることで、美しい景観を演出します。ローメンテナンスで植物が長持ちするため、ガーデニング初心者にもおすすめです。また、場所を選ばず、小規模なスペースでも楽しめるのが魅力の一つです。

詳細を見る

植えつけとは、苗や苗木、球根などを土に植える作業のことを指します。適切な時期や深さを守ることで植物の発芽や発根が促され、順調な生育につながります。植物ごとに適した用土が望ましく、植えたあとはしっかり水やりをして根づかせることが大切です。植物の種類によって用土の種類や肥料の施し方が異なるため、事前に育て方を確認しておくと安心です。

詳細を見る

切り戻しとは、伸びすぎた枝や茎を途中で切り詰める作業で、植物の形を整えたり、次の花や芽の発生を促す目的で行います。開花後に行うことが多く、風通しをよくし、病害虫の予防にもつながります。

詳細を見る

根腐れとは、土の水はけが悪いことによって、植物の根が腐ってしまう状態をいいます。肥料の与えすぎでも根腐れが起こることがあります。根腐れをほうっておくと、葉がしおれたり枯れたりします。

詳細を見る

多年草とは、開花、結実後も枯れずに生長する植物のことを指します。一度植えると数年にわたり生育し、毎年花を咲かせます。

詳細を見る

表土とは、ガーデニングや農作業において地表のごく浅い部分を指し、植物の生育に重要な土壌層です。この部分は通常、有機物や微生物が豊富で、植物が栄養を吸収しやすい環境を提供します。また、水分を保持しつつ排水性も高いため、根の生長を促進します。特にガーデニングでは、健康な表土を保つことが美しい花や元気な野菜を育てる鍵となります。草花を植える際には、表土の改良や適切な肥料の使用が推奨されます。

詳細を見る

花芯とは、花の中心部分に位置し、雄しべや雌しべなどの生殖器官が集まる領域を指す言葉です。特に観賞価値の高い花では、この部分の色彩や形が印象を左右します。ダリアやバラなどでは花芯の詰まり具合や形状が咲き方の美しさに関係し、園芸品種としての魅力にもなります。また、開花後の花芯の変化を観察することで、受粉や花の寿命を見極めることができます。

詳細を見る

花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

詳細を見る

肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

詳細を見る

球根とは、植物の栄養を蓄えた地下の器官で、翌年の発芽や開花に必要なエネルギーを蓄える役割を持ちます。チューリップやヒヤシンス、ユリなどが代表的な球根植物で、秋に植えて春に咲く秋植え球根、春に植えて夏に咲く春植え球根などに分類されます。球根は植え方や植えつけ時期、水はけのよい土などの条件を整えることで、毎年美しい花を咲かせることができます。

詳細を見る

品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

詳細を見る

原種とは、交配などで改良された植物の親や祖先にあたる種のことです。人間の手による品種改良や交配が行われていない、自然のままの状態で存在する野生種のことを指します。

詳細を見る
画面トップへ移動