舞踊歴73年のバレリーナ【森下洋子さん】その食事は1日何度? 体と心を健やかに保つ秘訣も
舞踊生活70年を超える今も、松山バレエ団 プリマバレリーナとして舞台に立ち続けている森下洋子さん。「バレエは私の人生のすべて」と語る森下さんにこれまでの歩み、そしてこれからの願いを伺いました。
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お話を伺ったのは
森下洋子さん バレリーナ
もりした・ようこ●松山バレエ団 プリマバレリーナ。1948年、広島県生まれ。
3歳よりバレエを始め、71年、松山バレエ団に入団。74年、ヴァルナ国際バレエコンクールにて金賞受賞。
海外でも幅広く活躍し、日本人初の英国ローレンス・オリヴィエ賞など受賞歴も多数。
著書に『平和と美の使者として 森下洋子自伝』(中央公論新社)など。
バレエを踊り続けたい。その一心でやってきました
「自分では年齢を意識したことはまったくなくて、気がついたら舞踊歴が70年を超えていたという感じです。ただただバレエをずっと踊っていたいという思いを積み重ねてきたら、この年になっていました」
松山バレエ団のプリマバレリーナにして団長も務める森下洋子さん。舞踊歴73年を迎えてなお輝き続ける秘密を探るべく、年齢について尋ねてみると、笑顔とともに返ってきたのが冒頭の言葉だ。
森下さんがバレエと出合ったのは3歳のときだった。
「小さい頃は体が弱くて、お医者さまに『何か運動をさせては』と勧められました。ちょうど家の前の幼稚園でバレエ教室が始まったものですから、両親は『じゃあバレエを』と。始めてすぐに『これを一生続けていく』と思いました。その思いは今までずっと変わらずにあります。きっと神様が『あなたはバレエをやりなさい』と教えてくださったんじゃないかしら。3歳でバレエに出合えたことが、私にとって人生いちばんの幸せだったと思います」
バレエの道で生きていく。そう決めた森下さんは、小学6年生で単身上京。レッスンに打ち込んだ。
「バレエを続けられたのは『好きなことをやりなさい』と送り出してくれた両親のおかげだし、小学生で上京したときも多くの大人の方たちがお世話してくださいました。周りのみんなに支えられ、恵まれた人生を歩んでこられたと思っています」
1971年に松山バレエ団に入団。国際バレエコンクールで金賞を受賞してからは、海外でもその名を知られる存在に。それから50年以上、第一線で踊り続けてきた。
「バレエはひとりではできません。今もこうして踊り続けていられるのは、団員やスタッフなど、みんなが支えてくれているからこそです。バレエは大勢で一つのものをつくり、観客の皆さんに感動や幸せを届けるもの。私たちはそういう大きな役目をもっていると思っていますが、そのためには多くの人の支えが必要です。その支えが私の周りにいつもいつもあったから、バレエをやめたいと思ったことは一度もありません。すごく幸せな人間、幸せな人生だなと思います」
感謝の思いは常に言葉で伝えている。
「年齢に関係なく、一緒に舞台をつくる人間として、団員のみんなには『ありがとう』と。そんな私の気持ちを、みんなも感じてくれているような気がします」
バレエ団の仲間は大切な存在
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