88歳の科学者【中村桂子さん】長寿の秘訣とは?「贅沢、無理、競争。私の辞書にはない言葉です」
「70、80、90代にしかできないこと、今だから楽しめることが必ずある」と話すのは、生命誌科学者の中村桂子さん。その元気の秘訣とは? 日々の暮らしぶりについて伺いました。
▼こちらもおすすめ▼91歳の樋口恵子さんが伝えたいこと。「3つのショクを生活に取り入れることが健康長寿の秘訣」
Profile
中村桂子さん 88歳・生命誌科学者
なかむら・けいこ●1936年東京生まれ。東京大学大学院生物化学修了。
結婚、出産を経て71年に三菱化成生命科学研究所に入る。
93年JT生命誌研究館の設立に携わり、2002年から20年まで館長を、現在は名誉館長を務める。
『老いを愛づる』(中公新書ラクレ)など著書多数。
健脚の秘訣は毎朝の庭のお手入れ
「朝起きたら、家中の窓を全部開けるんです。するとサーッと風が通り抜けて、とても涼しいの」
高台に立つ中村桂子さんのご自宅は、東京とは思えないほど豊かな緑に囲まれている。猛暑が続いた今夏も、エアコンを使わず、自然の風と扇風機で過ごしたそうだ。
「暑いのを我慢したわけではないんですよ。自然の風のほうが気持ちいいんです」とほほ笑む。
中村さんが研究を続ける「生命誌」の基本は、「人間は生き物の一つであり、自然の一部である」という考え方だ。中村さんの暮らしは、まさにその実践である。
「昔はマンションに住んだ時期もありましたけど、やはり地面(土)が恋しくて、自然を生かした暮らしをしようと50代のときここに移り住みました。ただ、自然というのは手がかかるものなんですよ」
と木々が生い茂る庭に目を向ける。
「庭の作業のほとんどは草取りと落ち葉掃き。落ち葉っていうと秋のイメージだけれど、常緑樹は春から夏に葉が落ちます。落ち葉掃きは年中の仕事なんです」
生命の歴史を表現した生命誌絵巻
▼こちらもおすすめ▼
>>【前田美波里さん】75歳とは思えない引き締まった二の腕…しなやかな体と心をキープする秘訣とは?