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【中山優馬さん】「所属事務所からの独立は不安より楽しみのほうが大きいですね」

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ゆうゆう編集部

歌って踊れるアーティストとして第一線で活躍するかたわら、一歩一歩着実に俳優としての地歩を固めてきた中山優馬さん。次に挑むのは名作『血の婚礼』のレオナルド。次々と難役に挑んでは成長し続ける中山さんに、舞台にかける思い、俳優という仕事への決意を聞きました。

PROFILE
中山優馬さん・俳優

なかやま・ゆうま●1994年大阪府生まれ。
2008年「バッテリー」でテレビドラマ初出演にして初主演を果たす。
アーティスト活動と並行して12年からは主に俳優として活躍。15年、舞台『ドリアン・グレイの肖像』で初単独主演。
主な出演作にドラマ「北斗─ある殺人者の回心─」、舞台『ダディ』など。
25年2月より舞台『いただきます!~歌舞伎町伝説~』に出演。

自分の演技に納得いかず 「俳優」になろうと決めた

野球少年たちを主人公にしたドラマ「バッテリー」で、いきなり初の主役を務めた中山優馬さん。そのときの衝撃的な印象は、15年以上経った今でも鮮やかに残っている。天才的な才能をもつピッチャーの役で世間の話題をさらったのだった。その強い眼差し、瑞々しい感性、突然現れた少年には大器を予感させる何かがあった。

中学生だったその少年は30歳を迎え、着実にキャリアを積み、本格派俳優として活躍中だ。アイドルとしてグループ活動を経てソロ活動に移行。歌も踊りもこなすエンターテイナーとしての一面を今も変わらずもちながら、15歳のときには「俳優に軸足を置いてやっていこう」と決めたという。

「自分の出演した作品を見たら、何か違うと思ったんですよ。もっとこういう表現をしたかったのに、自分ではこう表現をしたはずなのに、なぜできていないんだと。思い描いたものと違う仕上がりに納得いかなくて、そこからカメラを買って、脚本も書いて、自分で自分の演技を撮り始めました」

周りに映画好きの友人たちがいたことも幸いして、そうした映画づくりに邁進し、さらに演じることが好きになりのめり込んでいった。どこかからオファーが来たわけではない。一銭にもならない。それでも悔しさをバネに「こういう演技をしたら映像でどう見えるんだろう」と、自身の演技に磨きをかけていった。納得いかないからこそ、腰を据えて俳優に取り組んでいこうと決めた。その真面目さ、ひたむきさが、この道をつくってきた。

そして、努力は着実に実を結んでいく。2015年には舞台『ドリアン・グレイの肖像』で初単独主演、16年には映画『ホーンテッド・キャンパス』でも初主演。以降、名だたる演出家、監督たちと話題作を送り出し続けている。

「俳優として大きかったと思うのは、17年のドラマ『北斗─ある殺人者の回心─』(WOWOWの連続ドラマWで放送)と、22年の舞台『ダディ』ですね。『北斗』は全部フィルム撮影で、しかも順撮り(物語の進行どおりに進める撮影方法)だったので、自分が役をつくるうえでもまた違った視点がもてましたし、『ダディ』は小川絵梨子さんの演出に触れて考え方が変わりました。役者に寄り添って、役者同士で影響させ合って何かを引き出してくださる演出で、新たな手応えを得た気がしたんです」

「北斗」で中山さんが演じたのは、幼い頃から虐待を受け、愛を知るが殺人者となってしまうという難しい役どころだ。『ダディ』のほうは、19年にオフ・ブロードウェイで上演された作品の日本初演。人種や格差、セクシュアリティなど複雑な問題を提示する作品だったが、いずれにおいても中山さんは高い評価を得た。

「僕はスロースターターなので、何度も積み重ねていくことで、やっと考えが深まっていくところがあるんです。やればやるほどいろいろな発見があって、考えが湧いてくる。それでしか正解が得られないんです」

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