ブータンで、初めての選挙をめぐる騒動。その顛末は？

ブータンという小国があることは知ってはいたものの、地図で確認することもなかった。今、地図帳でチェックしてみたら、中国・インド・ネパールに囲まれた国だったのね。ほんとうに小さな国。2006年には国王が退位して民主化へと転換したという。

さて、この映画は、その2006年を背景にしたもの。国王退位にともなって、国をあげての「選挙」というものをめざすことになったのだが……国民にとっては初めての経験。どういうものなのか、わからないので、リハーサル的に模擬選挙をしてみようということになった。それを知った高僧は、なぜか若い僧に銃を入手しなさいと指示をする。さらにアメリカから“幻の銃”を探しにアンティーク銃のコレクターがやって来て……というわけで村全体の騒動に。

周囲を緑に囲まれた村。大きな青空、白い雲。大自然のもと、先祖代々の暮らしぶり……。単調だが、迷いや不平不満は無さそうに思える。いいなあ……と、つい、憧れてしまうのだけれど、映画好き、TV好き、喫茶店好きの私。1週間でスゴスゴと逃げ出してしまうのだろう……と苦笑。珍しく、ブータン、フランス、アメリカ、台湾が結集して出来た映画です。

『お坊さまと鉄砲』

ドキュメンタリー映画『フード・インク　ポスト・コロナ』もおすすめ

さて、もう一作。アメリカの「食」のシステムのありかたに警鐘を鳴らすようなドキュメンタリー映画『フード・インク　ポスト・コロナ』（12月6日公開）。

近年、人工甘味料、合成香料など添加物を化学的に調合した「超加工食品」が、大きな健康問題を引き起こしている。糖尿病ばかりではなく脳にも悪影響を与えているというのだ。大人の話かと思ったら、「ここ10年間でアフリカ系アメリカ人の子供は糖尿病の発症率が2倍になっている」という。

2020年、コロナ禍の中でトランプ大統領は、ひと握りの食品会社の利益を優先した……とも。トランプ嫌いの私は、「あら、やっぱりね」と思った。

そんな「食」のリポートだが、アニメも使って、わかりやすく、カラフル。説得力あり。

※この記事は「ゆうゆう」2025年1月号（主婦の友社）の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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