私らしく生きる 50代からの大人世代へ

人気記事ランキング 連載・特集

「レディース」と「スケバン」の対立構造って何なん?【おむすび】結(橋本環奈)と翔也(佐野勇斗)の結婚で後半戦スタート

公開日

更新日

田幸和歌子

二人で節約しようと言っていたお金だが

さて、結婚生活を迎えるにあたり、二人は新居を借りようとするが、翔也もプロ野球選手を目指していた時代に「メンテ」にお金をかけすぎて貯金が全然ない。部屋を借りるため節約して貯金をしなくちゃという。そこまではまぁいいだろう。

しかし、その手段が500円玉貯金だったり、電車賃がもったいないから結を神戸まで送り届けたあとは片道走って帰るとか、水筒2本持ち歩くとか、シャンプーを水で薄めて使うとか、ティッシュは3回使い回すとか、おなじみの町中華「太極軒」デートを控える(食べたつもり貯金らしい)とか、これも「笑うところ」なのだとは思うが、それこそまた「結婚なめんな」と言わせたいのかと思えるぐらいの能天気ぶり。もはや清々しさすら感じてきそうだ。

それでいて、神戸港や神戸の街並みが見渡せる景色のいい場所で、翔也がプレゼントした結婚指輪。これも本来ならひとつのクライマックスであるべき場面だ。しかしこの指輪はその「節約」の一環で買うことができたというところにまた驚かされた。

当の結は喜んでいたからいいものの、引っ越し資金のために二人で節約しようと言っていたお金を、決して「キラキラしていない」高価なものではないと言っていたが(そもそも多くの場合、こういう場面で登場するのは結婚指輪というよりも婚約指輪であることが多い気がする)、なんで使っちゃったの!? となる可能性だって十分あるのではないだろうか。それこそ「結婚って何なん?」、そう感じた視聴者も存在するのではないだろうか。

「おむすび」第70回より(C)NHK

結局新居は、当初よりランクをかなり下げたところに落ち着いた模様だが、新たな門出を迎えたふたりを、この先、なんとか応援させてほしい。

そして次週。2011年3月11日が訪れることを予感させる予告が流れた。阪神・淡路大震災から東日本大震災へ。本作の大きな要素である震災による人と人との結びつきが描かれる大事なターンであるだろう。ここだけは、震災を演出のための「道具」として「さらっと」ではなく描かれることを期待してやまない。

▼あわせて読みたい▼

>>なぜキャッチボールしながら肩の故障の告白を?ツッコミたいわけではないが、いろいろ気になってしまう【おむすび】 >>【おむすび】ある意味この先の展開は全く予想がつかない。仰天するような「むすび」が待っているか >>2025年大河ドラマ【べらぼう】横浜流星が演じる「蔦屋重三郎」って、何をした人?

PICK UP 編集部ピックアップ