退職後の助けになる、助成金とは?再就職や資格取得の際にもらえるお金【仕事にまつわるお金の制度】
物価高で家計が苦しい今だからこそ、もらえるお金に注目! 医療費がかさんだとき、家を増改築したときなど、助けになる制度は多数。「自分で申請するのが絶対条件。面倒がらずに申請を」と言う井戸美枝さんに、申請すればもらえるお金について教えてもらいました。今回のテーマは、仕事にまつわるお金の制度です。
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井戸美枝さん ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士
いど・みえ●井戸美枝事務所代表。生活に身近な経済問題、年金・社会保障問題が専門で、「難しいこともわかりやすく」がモットー。
近著に『フリーランス大全 第二版』(エクスナレッジ)、『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など。
本ウェブサイトで連載中の「老後の不安は今から解消!」も好評。
退職後の収入が不安定な時期は、雇用保険が頼りになる【仕事にまつわる制度】
退職後も引き続き働きたい人は、収入減を補ってくれたり、再就職活動や資格取得を助けてくれたりする制度が役に立ちます。
資格取得やスキルアップを考えたらチェック【教育訓練給付制度】
【もらえるお金】受講費用の20% (一般教育訓練の場合、 上限10万円) 【届け出先】ハローワーク
資格取得やスキルアップのために、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講し修了した人に、受講料の一部を支給。支給額は訓練のレベルで異なり、それぞれ最大で受講費用の20~80%(年間上限10万~64万円)。対象は、雇用保険に入って在職中、または離職の翌日から1年以内の人。対象講座は、介護福祉士や調理師の資格、大学や専門学校の課程、英会話講座など多岐にわたる。
退職後、65歳未満で再就職を目指すなら【失業給付】
【もらえるお金】賃金日額(離職前6カ月の賃金の合計を180で割った額)の50~80%×給付日数 【届け出先】ハローワーク
退職後、求職中の人に「求職者給付の基本手当(失業給付)」が出る。条件は退職前の2年間に雇用保険の加入期間が通算して12カ月以上。定年退職でも、65歳未満で働く意思があれば申請できる(65歳以上は、一時金で受け取れる「高年齢求職者給付金」がある)。失業給付の金額は離職前6カ月の賃金日額の50~80%。給付日数は90~150日(定年退職の場合)。申請はハローワークで。
定年後継続雇用で賃金が大幅に減ったら【高年齢雇用継続基本給付金】
定年後も同じ会社で働き、賃金が60歳時点の75%未満に減った場合に支給される。給付金額は賃金の低下割合に応じて決まり、最大で新しい賃金の10%※(以降割合が低下するほど支給率は減)。対象期間は60~65歳。条件は雇用保険の加入期間が5年以上など。申請は勤務先またはハローワーク。
※2025年4月1日以降の支給率。