72歳、有償ボランティアの女性が「お弁当に手紙を添える深いワケ」【人生100年時代の働き方白書】
年齢に関係なく、いくつになっても自分らしく、マイペースでいきいきと働くゆうゆう世代が増えています。そんな皆さんに、仕事の「やりがい」について聞きました。今回は、NPO法人ロクマルで調理を担当する、谷内美和子さん72歳です。
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2023年に71歳で退職するまで、看護師として計40年ほど働いていた谷内美和子さん。退職後は趣味やボランティアの時間を楽しみたいと考えていたときに出合ったのがNPO法人ロクマル。神奈川県横浜市で60代前後の人たちに自分に合った働き方や、新たな働き方を見つけてもらう場を設ける団体だ。
「有償ボランティアとして弁当や食堂で出すメニューの調理などをしています。ロクマルに入るまで、料理は得意じゃなくて……。最初は『〇〇切りにしてね』と言われてもすぐにはわからなかったけれど、皆が親切に教えてくれるので、すっかり慣れました」
ロクマルはひとり暮らしの人などに直筆の手紙つき弁当を届ける活動も行っている。
「私も手紙を書いていますが、昔文通をしていた頃を思い出してすごく楽しいですね。返事がこなくても、『手紙を読んで、おいしくお弁当を食べてくれているかな』と想像するだけで幸せな気持ちになります」
手紙のネタを探すため、外を歩いていると自然に目が向くように。いつもと同じ景色でも、季節の移り変わりに敏感になり美しく感じられるようになったという。
「手紙を書くことは、自分を磨くことだと思っています。80代、90代になり体力的に調理の仕事は難しくなったとしても、これだけは続けていきたい。これからも自分を磨きながら、少しでも誰かの役に立っていきたいですね」
※この記事は「ゆうゆう」2025年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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