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夫を見送って3年【とよた真帆さん・57歳】の今。レストラン経営に込めた思いとは?

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ゆうゆう編集部

夫を見送り、「悲しみながらも日々忙しく動いて前に向かった」と言うとよた真帆さん。レストラン経営に歌手デビュー、次々と新たなことに挑戦する意欲、趣味の楽しみ方などプラス思考の生き様に迫ります。

PROFILE
とよた真帆さん 俳優

とよた・まほ●1967年東京都生まれ。
高校在学中にモデルを始め、86年にパリコレに出演。その後女優としてドラマ、映画、舞台で活躍。
2002年映画監督の青山真治さんと結婚(22年死別)。
23年レストラン「ロジエ」を開く。
24年にアルバム『WILD FLOWER』を発表する。
YouTubeで趣味のDIYや水石などの動画を配信中。

ひとりの食事は寂しい。レストランをつくろう!

この日、取材で伺った場所は、東京・恵比寿の路地に立つ隠れ家のようなレストラン。2023年に、とよた真帆さんが開いた店だ。店内に飾られた絵画や古伊万里などの和食器は自身のコレクションであり、店の表札作りから、テラスの床のペイント、プランターの設置まで、とよたさん自らの手で行った。

店名「ロジエ」は、22年に亡くなった夫、映画監督の青山真治さんの作品『路地へ』にちなんでつけたという。

「そもそも飲食店を始めることになったのは、青山を亡くしたことも関係しています。家でひとりでご飯を食べていると寂しくて、つまらないと感じることがあって。女性がひとりでふらっと気軽に入れて、おいしいご飯を食べられるお店があればいいなと思いました。それを友人に話したら、小さな一軒家の物件があるとの情報を得て、じゃあそこを借りてレストランをつくっちゃおう、と」

コロナ禍以降、経営が厳しくなった飲食店も少なくない。不安はなかったのだろうか。

「そこが私はちょっと欠落しているんです(笑)。やってみたいと思ったら、悩むより即行動するタイプ。あれ、ちょっと選択を間違ったかな?と思う局面も何度かあったけれど、それも経験になりますから」

とはいえ、決して無計画ではなく、常に「漠然といろんなことを構想している」という。

「たとえば、以前から、こんな部屋をつくりたい、自分の好きなものを集めたお店をやりたい、と構想して買った絵や和食器などがけっこうあるんです。ロジエを開店する際、それらを活用しました。お店の物件も、私が漠然とイメージしていた『友達の家にいるみたいにくつろげるカジュアルなビストロ』をつくるのにピッタリだったし、この場所なら私の友人もたくさん来てくれそうと思って、ここでやろうと決断したのです」

とよたさんの中でイメージや準備ができているから、機会が訪れたとき、迷いなく自分にゴーサインを出せるのだろう。

ロジエの壁を彩るのは、大好きなベルギーの画家の版画。「額縁は古いものを、私が塗り直して可愛く仕上げました」

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