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【超要約】名作のあらすじを読もう!

芥川龍之介の『神神の微笑』あらすじ紹介。異世界への旅!?決着がつかない霊性の勝負どうなる?

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ゆうゆうtime編集部

芥川龍之介の『神神の微笑(かみがみのびしょう)』は、日本と西洋の対立と共存を描いた奇妙で幻想的な物語です。南蛮寺の神父オルガンティノが出会う謎の老人と、不思議な声の数々。物語の真相とは・・・?

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異郷での孤独がもたらす懐郷の念

物語の始まりは、日本に派遣されたキリスト教宣教師オルガンティノの姿。彼は異国の地で孤独を抱えつつ、日本の美しい自然と不思議な文化に心を動かされるものの、それ以上に深い懐郷の念に苛(さいな)まれています。彼が歩む南蛮寺の庭には、異国の植物と日本の桜が共存しており、その桜が彼に一種の恐れを抱かせます。そこには日本の霊的な存在に対する彼の無意識の畏怖が投影されています。彼は祈りを捧げることで救いを求めますが、その心の深奥には不安が根付いています。

怪異の内陣 ~幻が示すもの

オルガンティノは南蛮寺の内陣で祈りを捧げる中、奇妙な体験をします。鶏の鳴き声をきっかけに幻覚的な光景が現れ、日本の古代の儀式を思わせる情景、踊り狂う堂々たる女、その周囲に集う鶏。そして夜空に鳴り響く不思議な声──そのすべてが彼を恐怖と混乱に陥らせます。ある声は「負けですよ」とささやき、オルガンティノの内面にある使命感と疑念がせめぎ合います。このシーンは日本の霊的な伝統が、その土地を侵す外来文化にどう影響を与えるかを象徴するものです。

神性と人間の議論がもたらす真実

翌日、オルガンティノのもとに現れた玉飾りを首に巻いた謎の老人。彼は「この国の霊」の一人を名乗り、オルガンティノと共に歩きながら哲学的な議論を展開します。老人の語る内容は、西洋文化や宗教が日本に到来しても、日本特有の精神性や文化がそれらを吸収・変容させていくこと。孔子や仏陀、さらにはキリスト教の神泥烏須(デウス)までも、日本に根付く古代の神々の力により形を変えているというのです。その言葉はオルガンティノに静かでありながらも深い衝撃を与えます。この議論の核心にあるのは、文化や宗教が対立するものではなく、相互に融合する可能性という彼の提示したテーマです。

物語の顛末 ~人類共通の問い

最終的に、南蛮寺の庭や屏風の世界に消え行くオルガンティノたちの物語は、具体的な答えを与えません。大日貴(おおひるめむち)が勝つのか泥烏須が勝つのか、それは断定されないままですが、読者に深い問いを投げかけ続けます。それは「人間性の本質」や「文化のアイデンティティ」をめぐる永遠のテーマです。この物語が1900年代初頭に書かれたものでありながら、現代でも新たな視点を提供してくれるのは、この普遍性故と言えるでしょう。

まとめ

『神神の微笑』は、西洋と日本という二つの霊性の衝突と共存を、美しい言葉の流れの中で描いた名作です。キリスト教宣教師オルガンティノの視点から始まり、日本の霊的文化との遭遇とその先の議論を通じて、文化のあり方、そして人間としての生き方を問いかけます。芥川龍之介独特の幻想的な描写は、現実と現実を超えた世界を行き来させ、読む者を深い思索へ導きます。決着がつかない霊性の勝負には、答えでなく「問うこと」の大切さがこめられており、時代を超えて語り継がれるべき作品です。

神神の微笑

芥川 竜之介 (著)
青空文庫刊

大正期に活躍した「新思潮派」の作家、芥川竜之介の小説。初出は「新小説」[春陽堂書店、1922(大正11)年]、初出時の題名は「神々の微笑」。「春服」[春陽堂、1923(大正12)年]に収録。初刊収録時に結末付近が大幅に削除された。日本から逃れたいと思う気持ちを反省する神父「オルガンテイノ」が不思議な力で風土に潜む霊と戦う決意をする。
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※この記事は生成AIが作成しました。正確性を保証するものではありません。

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