【61歳・バツイチぼっち】北海道からひとり上京。人気インスタグラマーが語るはじめての「東京暮らし」
ハナ子さんは昨年、またたく間に人気インスタグラマーとなった話題の人。医師の夫との離婚や実家の売却を経て、61歳で北海道から縁もゆかりもない東京へ単身移住する、まさにその日の心情を、飛行機の窓から見た東京の風景とともに投稿したことが発端となり、15人だったインスタグラムのフォロワーが、わずか20日間で7万人以上になった。そんなハナ子さんが東京で「新しい私」を手に入れるまでを語ってもらいました。
▼第1回はコチラ▼
≫≫60代・人気インスタグラマーハナ子さん。誰もがうらやむ暮らしを手放し、バツイチぼっちになったその理由とは?
PROFILE
ハナ子さん● インスタグラマー、動画クリエイター。1962年、北海道生まれ。30代で結婚し50代で離婚、60代で単身上京した。インスタグラム「バツイチぼっち60代はじめての東京暮らし」が話題となり、著『60代、ひとり暮らしのはじめかた ぜんぶ捨てて、人生後半が輝きだした』(KADOKAWA)を出版。催眠療法などを学び、セラピストとしての活動歴ももつ。
不要品の巣窟になっていた実家を片づけて売却
「真冬でも家中暖かかった当時の家は、安心できるよりどころでした。ここを出て、寒い部屋で暮らすことになってもいいの?と、何度も自分に問いかけました」
しかしハナ子さんの決心は揺るがず、離婚を切り出してからの半年でマイホームを売却。当時高校生だった二女と、札幌市内の小さなアパートで暮らし始めた。生活費のために、車やグランドピアノは売却。養育費を受け取れたことで、焦らず仕事を探せたのは幸いだった。
「その後、母の認知症が進んでいるとわかり、両親が暮らす実家に戻ることにしたんです。両親の体力が衰えたことで、粗大ゴミや不要品の巣窟のようになっていましたが、2年かけて片づけ、売却を決めました。冬の寒さが厳しく、雪下ろしも必要な実家にこの先も住み続けたいとは思えなくて」
コンパクトな東京の住まいで幸せを感じる毎日
この頃ハナ子さんは「実家に大きな車輪がついて、猛スピードでどこかへ連れていかれる」とい夢を頻繁に見た。「大きな移動」を彷彿させるこの夢と、少しでも娘のそばに行けることが、北海道を出て京で暮らそうと決意する大きなあと押しになったという。
「無職の状態での住まい探しは苦労しましたが、1年分の家賃と共益費を前払いしUR賃貸住宅のこちらを借りることができたんです。前払いには実家の売却代金を充てました。近くの小学校から聞こえる子どもたちの声やチャイムの音が懐かしくて。実家という重圧から解放されて、コンパクトな部屋を見渡しながら、なんて幸せなんだろうと感じる毎日です」
金髪のベリーショートに挑戦したい、未知の国へ行ってみたい。これからやりたいことはまだまだたくさん。インスタグラムの投稿が多くの人の心をつかみ、助言を求める人も増えた。同世代の女性たちの力になりたいと願うハナ子さんは、人生で今がいちばん身軽! 自由という翼でどこへでも飛んでいける。
ハナ子さんの「身軽」な東京暮らし
昨年秋から、それまで関西にいた二女(左)と同居している。「母のこれまでの決断には驚かされてばかり。でも、いつも頑張っていました」
身軽にしておけば必要な時に行動できる
長女が高校卒業まで使っていた学習机をカウンターのように愛用中。
日本舞踊の先生だったハナ子さんの母。実家にあった大量の母の着物は処分したが、母が自分のために仕立ててくれたものは捨てられず、上質な桐ダンスとともに持ってきた。
ゴミ箱は汚れたら惜しみなく捨てられる紙袋に。「食器や調理道具も最小限で、仮住まいのつもりで暮らしています」
アルバム、本、映像データはこのコンテナ1つに入るだけに。
撮影/佐山裕子(主婦の友社) 取材・文/志賀朝子
※この記事は「ゆうゆう」2025年6月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
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