河原での水切りは1回!?和平(中井貴一)はコントロールは悪いがいいプレーをしたと思う【続続・最後から二番目の恋】第6話レビュー
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柚野木
小泉今日子×中井貴一の大ヒットシリーズ「続・続・最後から二番目の恋」。11年の時を経て、吉野千明と長倉和平の関係はどう変わった? そして変わらないものとは? 第6話「どうせならファンキーに年をとりたい」のレビューをお届けします。
※ネタバレにご注意ください
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「森のくまさん」防犯ベル炸裂!和平と千明、ついに“あの距離”に変化?【続続・最後から二番目の恋】第5話レビューこのドラマは、親子関係をほのぼのしたタッチで描くことはしない
親にとって、子どもはいくつになっても心配の種。そしていくつになってもかけがえのない宝物だ。でも、このドラマは、そのことをほのぼのしたタッチで描くことはしない。
ついこの間、千明(小泉今日子)は長野の母親に宛てて「私は元気にしているから安心してね」と報告したが、その内容に興味を抱いたからなのか、母親は電話でさらなる探りを入れてきた。まあ、要するに「たまには顔を見せなさい」ということなのだが、千明の腰は重い。電話では父親の体調が悪いとのことだが、母はこれまでにもウソをついてきた「前科」があるから、今回もどうせまた同じ手口だろうと千明は見抜いている。
とはいえ、何となく気がかりで、うかない態度の千明に帰省を促すのは、やはり長倉家の面々だ。親が嘘をついてまでも帰ってきてほしいと言っているのであれば、「何度でもだまされてあげてください」とまず和平(中井貴一)が説得にかかる。そしてそこは朝イチの、長倉家のファミリーが大集合している場面。早くに親を亡くした子供たちは、親に会いたくても会えないんだよ、と和平と共にみんなでたたみかけてくる。これにはさすがの千明も反論の余地がない。
そこで意を決して里帰りをすることになるのだが、ここからは突如、コントめいた展開が待っていた。千明は和平を道連れにして、パートナーを演じさせる作戦に出るのだ。
とりあえず、お互いのことを、ぎこちなく「ダーリン」と「ハニー」と呼んでみたりして、事実婚風のカップルを演じましょうか、と軽い打ち合せをしてみたものの、どこまでそれで押し通せるのやら。服装は対照的で、かっちりしたジャケットスタイルの和平と、オーバーサイズのカジュアルなファッションに身を包む千明。かくして、二人の珍道中が始まった。
信州上田の家に向かう道中、千明は幼い日を思い出しながら、母校の小学校に立ち寄って自慢話をしてみたり、その後、故郷と心理的な距離ができたいきさつも語っている。ここの話は、地方から都会に出てきた経験のある人には、思い当たることがきっとあるはず。
一方で、どの土地に対しても心から「自分の居場所だ」とは思えないと語る千明の心理を、郷土愛でいっぱいの和平がどう受け止めたかは、語られることはなかった。
さて、ようやくたどりついた吉野家では、千明の母・有里子(三田佳子)が主導権を握っているのが明らかで、父の隆司(小倉蒼蛙)の存在感は、限りなく薄い。
和平が挨拶するやいなや、有里子はお土産に持参した鎌倉名物「鳩サブレー」の包みを見て何枚入っているかを聞き出してくる。そして、ここからは完全に有里子のペースに巻き込まれていく。