83歳・料理教室の人気講師が語る、心も体も健康に過ごす知恵「絶対こうじゃなければ…と考えてない?」
今年83歳!料理教室の人気講師・米澤佐枝子さんが語る、心も体も健康で生き生きと過ごす知恵とは? 話題の書籍『病気になっても病人にならない生き方』から、一部を抜粋してお届けします。第1回は、真面目すぎる考え方をしてしまう人たちアドバイス。「自分の体調に合わせて臨機応変に対応する。これが大事なんです」
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「夏の白シャツ ベストテン!」70歳のイラストレーター 本田葉子さんのゴキゲンな着回しとは?米澤佐枝子(よねざわ・さえこ)さん プロフィール
昭和17年静岡県生まれ。相模女子大学食物学科卒業。結婚後、夫の赴任に伴いブラジルに渡っていた30代で子宮癌を発症、余命1年と宣告を受ける。食事を変えるなど自然療法を始める。58年自然療法の大家・東城百合子氏主宰「あなたと健康社」に入社、健康料理教室の講師を任される。手術もせず薬にも頼らず40代で癌を克服。現在も同料理教室の講師として活躍を続けている。
真面目に考え過ぎない─〝いい加減〟は〝良い加減〟
何事も、あまりクソ真面目に考えないほうがいいのです。
ある生徒さん(女性)が私に電話をかけてきたことがありました。
「死にそうなんです。助けてください」
と言うのです。もうびっくりして、
「どうやって助けたらいいの? どうしたの?」
と聞くと、
「お茶碗も持てないし、歩くこともできないんです」
「私も今からこの時間では行ってあげられないのよ。死にそうだったら、まずお医者さんでしょ?」
そう伝えると、もうお医者さんへは行ったと言うのです。とくに点滴も注射も何もされずに家へ帰された、と。
「大丈夫よ。今生きてるから。トイレだってご家族に連れて行ってもらえるし」
「先生、私、なにを食べればいいですか?」
「あなた、今までいろいろ食べ過ぎているから、ため込んだものを消費しなさい。水を飲んでいればいいわよ。食べられなくなった……どうしよう……なんて考える必要はないの」
そう言ったものの、ちょっとかわいそうだなと思って、むくみやお小水の様子を聞いてから、家族に腎臓の辺りや足をマッサージしてもらうこと、ショウガ湿布をすること、玄米粉をお湯で煮て飲むなど、いくつかアドバイスをして、その日は電話を切りました。
翌日、また電話がかかってきて、
「おかげさまですっかりよくなりました」
と。そんなものなのです。
みんな気落ちして身体にくるのです。みんな病気を何とかしたくて、あれこれ忙しくやってしまう。ほどほどでいいのです。しゃかりきになって百パーセントやっていると、何かあったら折れるしかない。だからクソ真面目はダメ。もっと頭を柔らかくして、自分の身体の声を聞きながら何事も余裕をもって取り組んでほしいのです。
こういったこともありました。ある男性の生徒さんが相談に来て、
「僕ほどクソ真面目な人間はいない」
と言うんです。見ればたしかにそうとわかるほどです。それで、
「なんで僕は癌になったんですかね」と。
私はそのクソ真面目のせいもあるよって言いたかったんですが、失礼と思って言いませんでした。完璧でなくてもいいのにね。
「腹八分目はどのくらい食べればいいのでしょうか」
というような、自分のことなのに何でも人に聞いてくる人が多いです。
「玄米は一日に何杯食べればいいですか?」とか。
絶対こうじゃなければとか考えずに、自分の体調に合わせて臨機応変に対応する。これが大事なんです。
〝いい加減〟は〝良い加減〟、〝いい塩梅〟は〝良い塩梅〟。