83歳・料理学校の人気講師が語る、まさかの「玄米離婚」!?大切なのは楽しんで食べること
今年83歳!料理教室の人気講師 米澤佐枝子さんが語る、心も体も健康で生き生きと過ごす知恵とは? 話題の書籍『病気になっても病人にならない生き方』から、一部を抜粋してお届けします。第2回は、食べるときに最もたいせつなことを教えてもらいます。
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83歳・料理教室の人気講師が語る、心も体も健康に過ごす知恵「絶対こうじゃなければ…と考えてない?」米澤佐枝子(よねざわ・さえこ)さん プロフィール
昭和17年静岡県生まれ。相模女子大学食物学科卒業。結婚後、夫の赴任に伴いブラジルに渡っていた30代で子宮癌を発症、余命1年と宣告を受ける。食事を変えるなど自然療法を始める。58年自然療法の大家・東城百合子氏主宰「あなたと健康社」に入社、健康料理教室の講師を任される。手術もせず薬にも頼らず40代で癌を克服。現在も同料理教室の講師として活躍を続けている。
玄米嫌いの家族─自分に合わせよう、はダメ
生徒さんに多い悩みの一つが、家族が玄米菜食を嫌っているのでどうしましょうということ。
「うちの主人が肉を食べたいと言うので困ります」
と聞かれたら、私は
「いいじゃない、食べたいものを食べさせれば」
と答えます。無理矢理、自分に合わせようとしてはダメです。
肉料理を出してあげたらご主人、飛び上がって喜んだという人もいました。今まで家で食べられなかったのでなんと外で食べていたというのです。それでは本末転倒。だったら家でちゃんと作ってあげればいいのです。
また、あるご主人は日に四百グラムもの唐揚げを食べる人で、玄米はバカにして食べようともしてくれないそうです。唐揚げ四百グラムといえば脂だけでもすごい量になりますから奥さんは悩んでいて、案の定、ご主人は身体を壊して入院となりました。
そこで「初めて奥さんがいつも食べている玄米菜食を意識したそうです。彼女のほうは病気一つしないのですから。そして退院してから少しは玄米にも口をつけてくれるようになった、と。こちらはめでたし、めでたし。なのですが、一方で、玄米が原因で別れた夫婦もいます。
玄米嫌いのご主人に、身体にいいからと奥さんは玄米ばかり食べさせようとして、ついにご主人の堪忍袋の緒が切れた。あまりにも食に対する考え方が違い過ぎるということで、まさかの玄米離婚です。
好きで結婚した同士がほんとうなら嬉しいはずの食べもののことで別れるなんてせつない話ですが、それほど食べることは重要なことなのですよね。
ご主人が白米を食べたいと言うのなら、白米を出してあげたらいい。玄米を無理強いしてはいけない。お肉が食べたいと言われたら、黙って焼いて出したらいいと思います。マッサージをしてあげるとか、愚痴を聞くとか、ご主人の健康を支える手段は玄米以外にもあるのですから。
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疲れやすい、手指がこわばる、汗をかきやすい……。これまで経験したことのない体調不良に戸惑う時期ですが、この時期の不調は「これって更年期?それとも単なる老化?」と判断がつきにくいものも多く、どう対処すればいいのか不安を抱える人も多数。
詳細はコチラこだわらない生き方
私も自分が癌だった頃は、玄米菜食を厳密にやり過ぎて食卓はほんとうに暗いものでした。主人にも肉を出さなかったし、子供達にも嫌がられて、今思えば自分が押しつけていただけだったとわかるのです。
いくら玄米が身体にいいからといっても、嫌だ嫌だと思いながら無理矢理に食べていたら栄養は身体に届きません。〝美味しい〟と心でいただくことが一番たいせつなのです。
真面目に考え過ぎず、ご家族にはほかのもので補う方法を探してみればいいのです。そのうち双方が歩み寄って、良い加減のところに着地できればいいと思います。〝絶対〟ということにこだわり過ぎないこと。ストレスで細胞が詰まってしまいます。
「頭が痛いのですが、おまんじゅうのせいでしょうか」
甘いもの好きのある生徒さんは、一週間前に食べたおまんじゅう一個でずっと悩み続けていました。イライラ、クヨクヨが一番神経を痛めるのです。病気の人はとくに、そんなに神経を詰めることはないのです。私は彼女にこう言いました。
「いいじゃないの。お茶を飲んで食べて、ほっとできたならそれでいいの」
そのほっとする感じもたいせつなのですから。でも、ほっとしっぱなしはダメですよ。