フードコーディネーター「スーパーでの買い物はカートを使わない」本当の理由【フードロスの防ぎ方】
気温が上がる夏は、食材が傷みやすい季節。買ったものをムダなく食べるには、買い物や保存法の工夫が必要です。今回は「買い物」と「献立」のアイデアをご紹介します。
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教えてくれたのは
行長万里さん 食品ロス削減料理研究家
ゆきなが・まり●テレビ番組のフードコーディネーターとして活躍する一方、食品ロス削減料理研究家としても活発に活動。残りがちな食材の「使い切り方」「使いまわし方」「食べ切り方」を、テレビや雑誌、講演などで発信している。考案するレシピは、簡単でおいしく、無理なく食品ロスが減らせると、人気を集めている。
食品が傷みやすい夏は、買い物の量を減らして、アイデアで乗り切る
「食品ロスを減らす方法は、実はとてもシンプルで簡単なんです」。そう話すのは、食品ロス削減料理研究家として活動する行長万里さんだ。
「ポイントは、買い物、保存、調理の3点。まず買い物は、使う分だけ買うこと。子どもの独立などで家族構成が変わったにもかかわらず、これまでと同じ量を買っている人が多いんです。その意識を変えるだけでも、使い忘れや賞味期限切れによる廃棄を防ぐことができます」
買ったものを冷蔵庫で保存する際は、食材に合った適切な場所に入れることで、鮮度がキープできるという。
「調理時は、食材や残ったおかずを使い切る工夫を忘れずに。家にあるもので献立を考えるクセをつけると、食材の活用力が鍛えられます」
献立を立てる際には、こんなコツも。
「ゆうゆう世代は家事歴が長い分、料理の固定観念にしばられている人も多いんです。『野菜の皮は必ずむく』『ドレッシングは野菜にだけかける』といった固定観念を手放すと、食材の使い道が広がり、廃棄される量も減少し、食卓が豊かに。食材を使い切れたという達成感につながり、日々の料理にも前向きになれますよ」
フードロスを防ぐには「買いすぎない」が大前提。料理を「作りすぎない」、野菜の皮などを厚く「切りすぎない」、外食では「頼みすぎない」、あまったものをどう生かすかを考える「あきらめない」気持ちも、ムダを減らす一歩となる。